東京地裁=東京都千代田区 東京都江戸川区の民家で2023年、住人の男性を殺害したとして、殺人罪などに問われた区立中学教諭尾本幸祐被告(38)の裁判員裁判の公判が6日、東京地裁(中尾佳久裁判長)であり、検察側は懲役25年を求刑した。同日結審し、判決は28日の予定。
検察側は論告で、尾本被告が男性の頭部や首を執拗(しつよう)に切り付けたとし、「残忍で冷酷な犯行だ」と非難。動機は不明としつつ、「(公判では)不誠実な言動に終始し、反省の態度は皆無だ」と述べた。
弁護側は最終弁論で、現場で見つかったマスクから尾本被告のDNA型が検出されたとする検察側主張について、マスクは事件前、男性から招かれた際に残されたと説明。事件時に被告は自宅にいたとし、無罪を訴えた。
尾本被告は最終意見陳述で、「先入観やイメージで犯人、有罪とするのではなく、証拠によって判断いただけると確信している」と話した。
起訴状などによると、尾本被告は23年2月24日、職場から約200メートル離れた山岸正文さん=当時(63)=宅に無施錠の玄関から侵入。山岸さんを刃物のようなもので複数回にわたって切り付けるなどし、殺害したとされる。