警視庁本部=東京都千代田区 顧客にうその投資話を持ち掛け、現金1000万円をだまし取ったとして、警視庁戸塚署は6日までに、詐欺容疑で、野村証券元社員張湧太容疑者(30)=横浜市鶴見区尻手=を逮捕した。容疑を認め、「野村証券というブランドを利用した」などと話しているという。同様の手口で女性から数千万円を詐取した疑いもあり、同署は詳しく調べる。
逮捕容疑は同社本店に勤務していた2024年1月、東京都中野区の70代女性に対し、「社員向けの社内預金の積立枠が認められることになり、年利2%の金利を付けて返済できる。元本は必ず保証される」などとうそを言い、自身の口座に現金1000万円を振り込ませた疑い。
同署によると、富裕層向けの営業をしていた同容疑者は22年9月ごろ、女性の担当となった。
女性は運用成績が良かった同容疑者を信用していたが、同容疑者がグループ会社に出向した後の24年7月、後任の担当者と話をする中で不正が発覚した。
同容疑者は「ばれるかもしれない」と思い、同6月末に自己都合退職していた。公営ギャンブルで数千万円の借金を抱え、詐取金は返済やギャンブルに使ったとみられる。