昨年衆院選は「合憲」=1票の格差巡り、初判決―広島高裁支部
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2025年02月06日 15:31 時事通信社
「1票の格差」が最大2.06倍だった昨年10月の衆院選は投票価値の平等に反して違憲だとして、弁護士らのグループが選挙無効を求めた訴訟の判決が6日、広島高裁岡山支部であった。井上一成裁判長は「合憲」と判断し、請求を棄却した。昨年衆院選における1票の格差を巡り、各地で起こされた訴訟での初めての判決。弁護士らは不服として上告する方針を示した。
1票の格差を巡っては、二つの弁護士グループが全国14の高裁・支部に計16件の訴訟を起こしており、3月7日までに全ての判決が言い渡される。高裁判決を受け、最高裁で年内にも統一判断が示される見通しだ。
昨年衆院選の区割りは、各都道府県の人口比をより正確に反映できるとされる「アダムズ方式」が初めて適用された。井上裁判長は、同方式を柱とした新制度について、「投票価値の平等を基本的な基準としつつ、国会の正当な考慮事項も踏まえて区割りを定める合理的な仕組みだ」と評価した。
さらに定期的な区割りの改定が予定されており、格差が2倍を超えても「制度の枠組みの中で是正される限り、新たな要因などがなければ違憲状態とは言えない」と指摘。最大2.06倍だった昨年の衆院選の格差について、「自然的な人口移動以外の要因はうかがわれず、程度も著しいとは言えない」として、投票価値の平等に反しないと判断した。
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