![](https://news-image.mixi.net/article/100/100_20250206_16101503_001.jpg)
【写真】「生田絵梨花」フォトギャラリー
松本清張の同名小説を実写化する本作は、「色あせない記憶の尊さ」そして「永遠に消えない贖罪(しょくざい)」を描くミステリー作品。
昭和31年。静岡県で印刷業を営む望月次郎は、定年間近の田島刑事から「刑事捜査資料」の印刷を頼まれる。その犯罪事例の中には、時効を過ぎた土木作業員殺害事件の記述があった。事件には、「修善寺の遊女」大塚ハナと、天城トンネル付近で目撃された14歳の少年が関わっていた。
資料を読み、望月の封印していた記憶がよみがえる。「少年」は31年前の自分だった。そして大塚ハナは、初恋の女性だ。
当時、はだしのまま手に手をとって天城峠を越えた、数時間の恋。ハナの笑顔、美しい歌声、手のぬくもり―夢のような時間のあと、自分と別れたハナは土木作業員を殺し、逮捕されたのだった。警察署での田島の強引な取り調べに、殺害を自供したのはハナであった。だが、不自然な自供ではあった。まるで誰かをかばっているかのような…。
|
|
茨城の寒村で生まれ、貧しさゆえ、12歳にして吉原の女郎屋へ下働きに売られたハナ。その後、伊豆へ逃亡するも、不器用な性格が災いして、男性にだまされたり人に裏切られたりの連続。絶望の中、次郎の純粋な瞳に胸打たれ、彼の未来に思いをはせる。だが、ささやかな幸福もつかの間、殺人容疑で捕まってしまう。警察の取り調べに対しても強情で、無実を主張し続ける。
松本清張版『伊豆の踊子』と言われる『天城越え』は、今までも映像化によって数々のスターを生みだしてきた。主人公・ハナという難役に挑む生田は「『天城越え』の大塚ハナ役のオファーをいただき、過去作品を拝見したとき、自分に務まるだろうかと少しこわくなりました。ハナの生きてきた境遇や心の内を、令和に生きる自分がどれだけ想像しきれるだろうかと思ったのです。ですが、クランクインする前にスタッフの皆さまと話し合いを重ねられたこと、そして初めて扮装を纏ってカメラ前に立った時、監督から『ハナだ』と言っていただけたことで、抱えていた心配を拭ってスタートを切ることができました」とコメントしている。
特集ドラマ『天城越え』は、NHK BS8Kにて3月23日21時、NHK BSP4Kにて5月10日19時30分、NHK BSにて6月14日21時放送。
<コメント全文>
【生田絵梨花】
『天城越え』の大塚ハナ役のオファーをいただき、過去作品を拝見したとき、自分に務まるだろうかと少しこわくなりました。
|
|
ですが、クランクインする前にスタッフの皆さまと話し合いを重ねられたこと、そして初めて扮装を纏ってカメラ前に立った時、監督から「ハナだ」と言っていただけたことで、抱えていた心配を拭ってスタートを切ることができました。
ここからまだまだ葛藤の日々になるかと思いますが、全身でぶつかっていきたいです。
楽しみにしていていただけたら嬉しいです。
【脚本 羽原大介】
この度、松本清張の名作『天城越え』ドラマ化脚本を執筆する機会をいただき、大変光栄に思っております。同作品の映像化は今回で四度目となります。かつて『黒革の手帖』の脚本を担当させていただいた経験を活かし、「人間の業」を骨太に描いた原作の骨格はそのままに、過去の素晴らしい映像作品に敬意を表しつつ、新たな視点と解釈を加え、視聴者の皆さまに新たな感動をお届けできるよう努めました。
|
|
どうぞご期待ください。
【演出 金澤友也】
昨年、劇中で石川さゆりさんの「天城越え」を何度も歌うドラマを撮影していました。そして、今年はこの松本清張の「天城越え」を演出させていただくことになりました。大変、深い縁を感じております。この作品は大正〜昭和の時代の物語です
が、そこに込められた思いは現代にも通じるものだと思います。天城トンネルが今も昔も変わらず在り続けるように、ずっと変わらず愛され続ける「天城越え」を新しい形でお届けします。
【制作統括 黒沢淳】
ドラマや映画の仕事を志したら、いつかやってみたいと誰もが願うのが、松本清張先生原作の映像化です。特に「天城越え」は、私にとってずっと憧れの存在でした。このせつないせつない至高のラブストーリーは、まさに聖域でした。
思春期手前の少年が、美しい大人の女性に恋をして、かりそめの間、共に旅路を歩んだ・・・それは少年にとって、一生忘れられない初恋の記憶であり、目覚めの瞬間であり、運命の分岐点でもありました。
ーー画像も言葉も自由自在にデータ保存できて、膨大に膨れ上がり氾濫している今の時代。「消えない記憶」の尊さを、改めて実感していただけましたら幸いです。