升毅「自分が心掛けている表現に非常にマッチした」主演映画『美晴に傘を』撮影を振り返る

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2025年02月07日 12:10  TOKYO FM +

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升毅「自分が心掛けている表現に非常にマッチした」主演映画『美晴に傘を』撮影を振り返る
脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00〜22:30)。 2月1日(土)、8日(土)の放送ゲストは、俳優の升毅(ます・たけし)さんです。1日(土)の放送では、升さんが主演をつとめる現在公開中の映画「美晴に傘を」での役作りなどについてお話を伺いました。


升毅さん



1955年生まれ、東京都出身の升さん。近畿大学経済学部に在学中の1976年、俳優としてデビュー。その後、1991年に劇団「MOTHER」を結成。大阪を拠点に舞台役者として活動するなか、1995年のテレビドラマ「沙粧妙子-最後の事件-」(フジテレビ系)で見せた演技が注目され、以降、数多くのドラマや舞台、映画作品などで活躍中。現在公開中の映画「美晴に傘を」では主演をつとめています。

<映画「美晴に傘を」とは?>
劇団牧羊犬を主宰し、数多くの短編映画で国内外から注目を集める渋谷悠監督による初長編作品。自然豊かな北海道の小さな町を舞台に、家族の再生の物語を描いたヒューマンドラマ。

升さんが演じる息子を亡くした漁師の元に、喧嘩別れをしたまま亡くなった息子の妻(田中美里さん)が、障がいを抱える娘を連れて訪ねてきた。息子の葬儀に出席しなかった父は、2人に戸惑いながら、亡き息子への思いを馳せるさまを描いた作品です。


◆“家族の再生”をテーマにした映画「美晴に傘を」

茂木:「踊る大捜査線」シリーズやNHKの朝ドラ、大河ドラマなどで、いつも「本当に素晴らしいな」と思って拝見しています。今回の映画「美晴に傘を」は、演じられてみてどうでしたか?

升:漁師役という部分では、さすがにちょっといろいろと難航しましたが、それ以外の部分は実年齢に近い人間の役なので、さほど何かに困るというようなことはなく自然体で演じることができました。

茂木:もちろん(作品の)テーマも素晴らしいのですが、映画のスタイルがちょっと演劇的な手法も入っていますよね。升さんは劇団活動をずっとされていらっしゃるので、興味深く拝見しました。

升:そうですか。そう感じ取っていただけるのは、すごくうれしいです。監督をされた渋谷(悠)くんが演劇的な方なので、それが表現されているんですね。

茂木:傘を使ったシーンもですし、クライマックスで複数の人の声が重なっていくところも、とってもいいですよね!

升:バラバラの描写がだんだん1つになっていく、あの形は面白いですね。

茂木:この作品は“家族の再生”をテーマにした作品で、映画を観たあとは非常に温かい気持ちになります。そして升さんが演じるこの役は、内面を描くのがなかなか難しい役でもありましたよね。

升:そうですね。口数がそんなに多い人間ではなかったので(笑)。

茂木:でも、素晴らしい演技でしたね!

升:ありがとうございます。

茂木:最初に脚本を読まれたときは、どういう印象でした?

升:ここ何年か、家族や親子、兄弟など、「コミュニティの人たちの優しさやその関係性で、人というのは成り立っている」という作品をけっこう多くやらせていただいていて。今回もそのなかの1つとして読ませていただいて、「最終的に心が温まるいい映画だな」と。特に派手さもないし、淡々としていて、本当に小さな町のなかで起こっている小さな出来事なんだけど、すごく心に染みるなというのが、印象的でした。

茂木:演じてみて、どの辺りがこの作品の魅力だと感じられましたか?

升:それぞれが、それぞれに少しずつ進化していくというか、変化していくというか。すごくゆっくりなんですけど、最終的には「みんな、ちょっとずついい方向に向かったな」っていう。ゆっくりとした動きのなかで、それぞれにちゃんとスポットライトが当たっていて、その過程がとても素敵だなと思いました。

茂木:升さんが演じられた善次は、なかなか自分の気持ちを素直に表現することが難しい役でしたが、演技として難しいところもありましたか?

升:言葉にすることの楽さと難しさというのは、やっぱりあります。逆に、言葉にしないこともあって。でも、言葉にはしていないんだけど気持ちはあるので、その気持ちでいると、恐らく“そういう表情”になるのだろうという。 だから、気持ちを表情で出そうとしないでいいんです。「それをちゃんと撮影してくださっていて、そういう表情に見えている」ということがOKなので、僕自身としては特にセリフがないから困ることもないし、そのときのその感情でいさえすれば、そういう空気、表情になっていると信じてやっています。

茂木:ということは、俳優・升毅の現時点における集大成、みたいな役ということですか?

升:集大成とまでは言えないと思いますけど(笑)。でも、ここ何年か自分が心掛けている表現に、非常にマッチした作品になったと思います。


茂木健一郎、升毅さん



2月8日(土)の放送も、引き続き升毅さんにお話を伺います。

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2月1日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年2月9日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:Dream HEART
放送日時:毎週土曜22:00〜22:30
パーソナリティ:茂木健一郎

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