
【写真】卒業直前、与田祐希の撮り下ろしカット 3rd写真集より水着カットも
■撮影には「ありのままで挑みました」
――本作は与田さんにとって3冊目の写真集になります。
与田:1st、2nd写真集がすごくいい思い出になっていたので、3冊目も楽しみでした。2nd写真集を超えなきゃいけないというプレッシャーも少しはあったんですけど、楽しみの方が大きかったです。メンバーに「撮影はどこ行くの?」と聞かれたので「オーストラリアで動物とたわむれるよ」と答えたら、「与田っぽいね」って言われました(笑)。
――『ヨーダ』というタイトルは、卒業のタイミングでの写真集としては、攻めたタイトルですよね。
与田:最初は「卒業だし、正統派なタイトルの方がいいかな?」と迷いもありました。でも、いただいた候補の中で『ヨーダ』が一番インパクトがあったし、面白くて。「ヨーダか…!」って最初は笑っちゃったんですけど、ファンの皆さんも同じように笑ってくれるんじゃないかなって。それに、「自分らしい写真集にしたい」という気持ちがあったので、最終的には「これしかない!」と思って決めました。
――覚えやすいし、与田さんらしいです。撮影にはどんな気持ちで臨みましたか。
与田:1stと2ndが全然違う雰囲気になっているので、今回の写真集でも、前作からの約5年間で成長した姿をお見せしたいなって。アイドルとしての集大成でありながら、いろんな顔が見られる楽しい作品にしたいと思いました。
――「自然体な私を撮ってもらいたいと思って撮影に臨みました」ともコメントされていましたが、ボディメイクなど準備はされたのでしょうか。
与田:特に準備はしないで、ありのままで挑みました。とにかく体調を崩さないよう健康的な食生活を心がけて、健康第一で。そういう意味では準備してたのかな? 無理に痩せたりせず、スタミナ満タンで撮影に臨みました。オーストラリアでもおいしいものをたくさん食べて、身構えずに撮影を楽しむことができました。
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与田:おいしすぎて、めちゃくちゃ食べてました。「あたったりするからやめておいた方が…」とは一切考えずに食べてたんですけど、あたらなかったので、結果オーライです(笑)。
■「逃げ水」の衣装で涙した理由
――「逃げ水」の衣装の撮影では、涙したそうですね。
与田:撮影したときには、卒業の実感はまだなかったんです。でも、「逃げ水」の衣装を着て、音楽を流しながら踊ったら、いろんなことを思い出して…。そのとき、メイクさんが「これまでよく頑張ったね」と涙を流しながら言ってくれて。その言葉を聞いたら急に感情が込み上げてきて、「あ、私、泣いちゃうんだ」ってびっくりしました。まさかそんな早い段階で泣くなんて思ってなくて。
――「逃げ水」は「一番思い入れのある衣装」とYouTube配信でお話しされていましたが、特に印象的な思い出はありますか。
与田:自分にとって初めての「真夏の全国ツアー」で、ダブルセンターを務めた桃ちゃん(大園桃子さん)と「逃げ水」を披露したのはすごく思い出に残っています。全国ツアーの経験もない中で、いきなり真ん中に立たせていただいて、ずっと緊張してたし、座長としてのスピーチもうまくできなくて…。あの夏は、逃げ出したい気持ちを必死でこらえながら頑張ったのを覚えています。
――与田さんがスマホを衣装に挟んだままステージに出てしまった“事件”が起きたのもそのツアーでしたよね。
与田:ありましたね(笑)。今回の撮影中もスタッフさんに「スマホ挟む?」って悪ノリされましたけど、それはさすがにやめました(笑)。別に遊んでたわけじゃないんですよ。直前まで、スマホで振りの動画を見たり、話すことをまとめたメモを見たりしていて、そのまま出てしまって…。今では笑い話にできますけど、当時は本当に大泣きするくらいショックでした。
――乃木坂46のメンバーとしての最後の写真集になりますが、できあがった作品を見ていかがですか。
与田:「私、楽しそうだな」って思いました。1stも2ndも楽しかったんですけど、今回はより好き勝手やらせてもらった感じがあって。好きにやらせてもらうって責任も伴いますけど、それを信じて任せていただけたのがうれしかったです。「逃げ水」の衣装での撮影のために、髪を黒く染め直したりもしました。その方がファンの皆さんに当時を思い出していただけるかと思ったんです。最後の写真集だからこそ深く関わらせてもらえたので、私にとってもファンの方にとっても特別な1冊になったと思います。
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――ここからは卒業に関してもお聞かせいただけたら。まず、卒業については、いつ頃から考えていたのでしょうか。
与田:卒業を考えたのは、「もうここでやれることはないのかな」と感じたときで、いろんな経験をさせていただいて、やり尽くしちゃったのかなって思ったんです。後輩も増えてきて、「自分ができることはもうないのかも」とも考えました。でもそのときに、「まだ乃木坂で残せるものがあるかもしれない」「自分の経験を活かして、後輩たちを支えてあげたい」と考え直して、ここ最近の2〜3年を過ごしてきました。
そこからはメンバーとの距離もさらに縮まったり、後輩ともたくさん話せるようになったりして、すごく充実していました。それで「今がすごく楽しい」と思えたタイミングで、「次のステージに進もう」と卒業を決意したんです。
――最終的に決断したのはいつですか。
与田:ツアー(「真夏の全国ツアー2024」)の前には決めていました。
――誰かに相談は?
与田:卒業については、誰かに相談して決めることじゃなく、自分で決めたいと思っていました。
――全国ツアーの前には決めていたとのことですが、神宮公演最終日のMCでは、ご自身の卒業について、ファンに対して「私がいつの日か報告するまでは考えずに聞いてほしい」と前置きしたうえで、「この景色を忘れることは一生ないだろうなと思います」などと話していましたよね。
与田:あのときは、自分の気持ちをしゃべると、何を話しても「卒業確定」と言われそうだったから、「まだ言わないでほしい」と念押ししたつもりだったんです。それでもやっぱり結構言われちゃいましたね(笑)。
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与田:でも、それは毎年思っていることなんです。おととしの神宮でも、うるうるしてたんですよ。ここ3年くらいは毎年、「最後かもしれない」っていう気持ちでステージに立っていたし、「あと何回この景色を見られるんだろう」と考えたりもして。そういう意味では、あのときも特別変わった気持ちではなかったんです。
――話し終えた後の気持ちはどうでしたか。
与田:スッキリしてました。ファンの皆さんにちゃんと感謝も伝えられましたし。でも、「こんなに卒業だと言われるとは…」と少し驚きもしました(笑)。「卒業って言わないでほしい」って伝えたから大丈夫だろうって思ってたんですけど(笑)。
■卒業後の活動について
――卒業後についてもお話しできる範囲で教えてください。ブログでは「この卒業は終わりではなくて。再スタート」と書かれていました。
与田:これからもお仕事は続けたいと思っています。お芝居も続けたいですし、ファンの方とのイベントでも面白いことをできたらいいなって。これからも楽しみながら、頑張っていきたいと思っています。5月には乃木坂46のバースデーライブがあるので、みんなに負けないよう、私も頑張りたいです。
――お芝居でいうと『量産型リコ』シリーズが大好きでした。また与田さんが演技する姿を見たいです。
与田:ありがとうございます。うれしい。リコは本当に温かい現場で、今でもキャストのみんなで集まったりするんです。「こんな現場、なかなかないよ」ってみんなが言うくらいすてきな場所で、すごく感謝しています。リコをきっかけにファンになってくれた方もいて、「リコちゃん」って呼んでくれたりもして。これからもお芝居を頑張りたいです。
――いよいよ卒業も近づいてきて、2月22日、23日には卒業コンサートが開催されます。
与田:今までにないステージや演出があって、びっくりするようなサプライズも準備しています。ファンの皆さんが「楽しかった」と思えるコンサートにしたいです。緊張はしますけど、思いっきり楽しみたいです。スマホだけは挟まないように気をつけないと(笑)。
――最後にお聞きしたいのですが、2016年9月に16歳で乃木坂46に加入して8年半。アイドルになってよかったですか。
与田:もし16歳の頃に戻ったとしても、私はまたオーディションを受けると思います。本当にいい出会いがたくさんあったし、乃木坂に入らなければ出会えなかった人たちがいるので。
あるとき、夢を見たんです。「今の私のまま過去に戻ってオーディションを受ける」っていう。そのとき「ここで落ちたらみんなに会えないんだ」って思ったら、死ぬほど緊張して。「落ちたら終わり。すべてを失う」みたいな感覚になってすごく怖かったんです。16歳の私は、「東京に行ってみたい」っていう軽い気持ちで受けたんですけど、今振り返ると、乃木坂に入れて本当によかったと思います。
(取材・文:堀タツヤ 写真:山田健史)
乃木坂46・与田祐希3rd写真集『ヨーダ』は光文社より2月12日発売。価格は2500円(税込)