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【写真】弾ける笑顔も! キュートな綾瀬はるか、撮り下ろしショット
■ロズは『義母と娘のブルース』の宮本亜希子?
本作は、米国の作家ピーター・ブラウンによる著書『野生のロボット』シリーズをアニメ映画化。野生の島で起動した最新型アシスト・ロボットのロズが、ひょんなことから雁(がん)の子「キラリ」を育てることになり、優しさや愛情を理解し始め、キツネのチャッカリをはじめ動物たちと共に生き、島の危機を乗り越えていく物語だ。
――本作に出演が決まったときのお気持ちは?
綾瀬:これまで声優の経験は何度かありましたが、ロボットの役というのは初めてだったので、難しそうだなと思いました。「微妙な感情を上手く声で表現してください」と書かれていたので、すごく緊張感が増しました。どこまで声を機械っぽくするのか……という部分もかなり監督と細かく話し合いました。
柄本:僕はアニメがすごく好きなので、単純にうれしかった。でも同時に好きだからこその緊張もありました。やっぱり声優さんという仕事に憧れがあったのでリスペクトする気持ちも強かったんです。ただ作品自体がとても面白かったので、その部分の安心感はありました。
――それぞれのキャラクターを演じるうえで、何か意識したことはありましたか? ロズの声を聞いていて、どこか綾瀬さんが以前出演していたドラマ『義母と娘のブルース』(TBS系)の宮本亜希子さんと似ているような印象も受けました。
綾瀬:スタッフの方が「『義母と娘のブルース』の綾瀬さんを見てこの役にぴったりだと思った」とおっしゃっていたのですが、私自身は全然意識はしていませんでした。宮本亜希子さんは、ロボットっぽいところはありましたが、ロズは本物のロボットだったので、もうちょっとこちらの方が難しかったかな(笑)。ただAIっぽいしゃべりってどんな感じだろうというのは、いろいろ調べたりしました。
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■アフレコ中はブースのなかで裸足に?
――ロズもチャッカリも物語のスタートと最後で変化しているところが、素敵に表現されていました。それぞれの声のお芝居はどのように映りましたか?
綾瀬:チャッカリは素敵でしたよね。しっかり感情が顔に出る、とても遊びがいがある役なのですが、すごく強弱や声の高低差を使って上手に伝わるように演技をしていて、ずっと見ていられるキャラになっていました。いじわるなんだけれど、本当はかわいい奴みたいなのが、しっかり声に出ていました。
柄本:そうでした? 本当? 自分では分からないからな。
綾瀬:いや観ていて飽きないキャラでしたよ。
柄本:僕のアフレコが最初だったんですよ。だから他の人の声も入っていないし、超不安でした。かなり焦りながらのアフレコで……。最初に吹替え版を観たとき、綾瀬さんのロズはピッタリだなと思いました。僕がアフレコのときは英語のロズだったので、それに慣れていたのですが、吹替えを観たときすんなり世界観に入っていけたんです。特にロボットの平坦な感じから、少しずつ奥行きが出てくる感じとかがとても素敵だなと思いました。でも撮り直しってやった? 僕は全編撮り終わったあと、初日にやった部分はほぼ全部撮り直したんです。やっぱり聞き直すと、明らかに後の方が、声が出ているんだよね。
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柄本:分かる! シーンに合わせて動いちゃったり、顔に力がはいったりね。だから僕はとりあえず緊張しないようにブースの中を自分の部屋だと思おうとしたの。寝っ転がるまではしないけれど、ストレッチしたり、靴脱いで裸足になったり(笑)。
綾瀬:ロズはロボットなので、なかなか遊べない部分があったので、チャッカリを見ていて「こういう役をやりたいな」って思っていましたね。
柄本:確かに感情が揺れ動かないなか、微妙な部分を表現するのは大変だっただろうなって思った。
綾瀬:最初は本当にロボットっぽくて割り切った感じでできたのですが、途中からちょっとずつロボットなんだけれど、人間味が見えるというさじ加減は難しかったですね。ロズが少し母親的な気持ちを宿したときの変化はすごく意識しました。感情が芽生えてからは、寂しさや悲しさみたいなところが結構出てくるんですよね。それをチャッカリが明るさで包み込んでくれるみたいな。ロズとチャッカリのコンビは好きでした。
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――母子愛のような場面も作品の魅力ですが、ご両親から大きな愛をもらったなと感じたエピソードはありましたか?
柄本:言葉とかではないのですが、自分が出ている作品を必ず観てくれているんですよね。それに対して何か言うということはまったくないのですが……。それは少し愛情を感じます。
綾瀬:それはもう愛情ですよ(笑)。私は悩んだりすると割と母親に話すのですが、最終的にはすごく自信をつけてくれるんです。例えば感情をあらわにして泣くシーンの前とか、かなり憂鬱なんですけれども、母親に電話すると「お母さん、3分もあれば泣けるよ! 大好きな動物のお別れとか想像してごらんよ」とか言うんです(笑)。「そういう問題じゃないでしょ」と思うのですが、結局電話を切るときは「そっか、大丈夫か」みたいな気持ちにしてくれるんです。
柄本:それはすごくありがたい存在だね。
――ロズとチャッカリは最初「えっ!」というほど気が合わない感じでしたが、最後はとても大切な存在になります。お2人にとってそういう出会いはありましたか?
柄本:昨年やっていた大河ドラマ『光る君へ』(NHK)で、一条天皇役だった塩野瑛久くん。彼は本当にすごく周囲が見えていて、物事に良く気づくんです。人の半歩先で動いてくれる。本読みとかでも「どこだっけ?」みたいなときに、スッと「何ページのどこです」みたいな。最初それが何かあまりにもスムーズ過ぎて「(いい人に思われようと)狙ってる!?」なんて穿(うが)った見方をしてしまったんです。でも付き合っていくうちに「本当にただのめちゃくちゃいい奴」だった。
綾瀬:本読みのページを教えてくれるなんて絶対いい人だよ(笑)。
柄本:ただただ僕がそんな見方しかできない、ピュアな人間じゃないんだなって(笑)。飲んだときに本人にも話して「ごめんね」って言った気がします。(『野生の島のロズ』の)クリス・サンダース監督にも申し訳ないよね。こんな素敵な作品に出演させてもらったのに。
綾瀬:私はなんだろうな。『世界の中心で、愛を叫ぶ』(TBS系)でご一緒した(ディレクターの)石丸彰彦さんかな。最初めちゃくちゃ怖い人だなと思ったんです。
柄本:怖かったよね。
綾瀬:でもそのあと長い期間ドラマでご一緒したんですよね。『白夜行』とか『JIN‐仁‐』『わたしを離さないで』『義母と娘のブルース』、『天国と地獄 〜サイコな2人〜』(いずれもTBS系)とか。
柄本:俺『わたしを離さないで』にもちょっと出ているんだよね。
綾瀬:そうだ! 出ていたよね。本当に最初すごく怖くてビクビクしていたのですが、それって愛情の裏返しだったんだなって。
――表面的なことだけではなく、しっかり相手の本質を見るというのも、作品のメッセージですよね。
綾瀬:そうですよね。しっかり向き合ってみないと人なんてわからない。簡単に判断してしまいがちですが、やっぱり長く一緒にいるというのは大事ですよね。
柄本:すみません、塩野くん (苦笑)。やっぱりポジティブな面を見ないといけませんね。
綾瀬:チャッカリも最初すごく嫌な奴だなと思っていたのに、最後は大好きになりましたからね。
(取材・文:磯部正和 写真:上野留加)
アニメ映画『野生の島のロズ』は公開中。