ラス・パルマスは11日、GKアルバロ・バジェスとの契約解除を発表 [写真]=Getty Images ラス・パルマスは11日、GKアルバロ・バジェスと双方合意の上で契約を解除したことを発表した。
グラン・カナリアを揺るがした“粛清”は、「両者にとって、最小限の不利益にとどまる合意」で終止符が打たれた。1997年7月25日生まれのバジェスは現在27歳。ベティスのカンテラから、ヘレナを経てラス・パルマスのBチームに加入した後、2019年夏にトップチーム昇格を果たした。とりわけ、2022年冬から2024年夏までの2年半に渡って指揮を取ったガルシア・ピミエンタ監督のチームにおいて、絶対的な地位を確立するとともに、6年ぶりの1部昇格に大きく貢献。迎えた昨シーズンは、出場停止となった1試合を除いて全37試合でゴールマウスを守り、その活躍ぶりからスペイン代表の候補にも名前が上がるほどの注目を集めていた。
しかし昨夏、バジェスとラス・パルマスは、去就を巡って真っ向から対立。ベティス帰還を切望するバジェスが、2025年夏に満了となる現行契約の延長を拒否したのに対して、クラブは売却の方針に舵を切ったものの、当のベティスが要求額を満たしたオファーを提示できずに破談。すると今度は、クラブとマルセイユが移籍金1000万ユーロ(約16億円/ベティスが提示したオファーの倍)で交渉を成立させたが、選手本人が“ノー”を突き付けた。そしてこれが決定打となり、ミゲル・アンヘル・ラミレス会長は「彼は今シーズン、スタンドにいるただのファンに過ぎないだろう」と事実上のプレー禁止処分を下していたのだった。
実際に、昨夏の移籍市場でヤスパー・シレッセンとディンコ・ホルカシュのGK2名を獲得したラス・パルマスにおいて、バジェスの居場所はなかった。そして今冬、両者は落としどころを見つける交渉を始め、双方合意の上で契約解除に至ったとのこと。スペイン紙『マルカ』は「両者は幸せになれず、めでたくもない物語の最終回」としつつ、「バジェスは1年間のフットボールを、ラス・パルマスは魅力的なビジネスチャンスを失った」とこの“バッドエンド”を総括している。
なお今後、バジェスは個人トレーニングに励むことになり、今夏の移籍市場が開かれれたタイミングでベティスにフリー加入することが有力視されている。