埼玉県八潮市の県道交差点で道路が陥没してトラックが転落した事故で、埼玉県の大野元裕知事は11日、トラックの運転席部分が陥没現場から約30メートル下流の下水道管内にあると特定したことを明らかにした。安否不明の70代男性運転手は運転席内にいる可能性があるという。県は救出に向けて運転席近くの掘削などに着手するが、工事完了までには約3カ月かかる見通し。
県によると、5日に管の内部で運転席とみられるものをドローン(無人機)で発見。その後も複数回にわたってドローンでの撮影を繰り返し、転落したトラックの運転席と特定した。映像は法医学者らが確認し、「運転席内に人がいる可能性がある」と判断したという。
県は救助のため、陥没現場に流れ込む汚水を迂回(うかい)させるバイパス(仮排水管)を設置した上で、下水道管内に入るための掘削やがれき撤去を進める工法を検討しているという。大野知事は「これが最も早期にキャビン(運転席部分)にアクセスできる方法。3カ月、もしくはその前にキャビンの回収をしたい」と述べた。
また、工事に伴い周辺住民の避難長期化が見込まれるため、県は八潮市に災害救助法を適用することを決めた。自然災害ではない陥没事故に同法が適用されるのは異例という。
一方、周辺12市町の住民に対する節水と下水使用自粛要請については、12日正午に解除する。ポンプを用いた排水対策の効果が見込めるためとしている。
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事故は1月28日午前に発生。八潮市の県道交差点の道路が陥没し、トラックが穴に転落した。間もなく荷台部分は引き上げられたが運転席部分は見つからず、男性運転手の安否が分からなくなっている。【増田博樹】
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