警察官も「これ何!?」と聞いてしまう乗り物だったという。横浜市在住の男性(22)が乗っていたのは、自転車のようにペダルがある青いレトロな二輪車。エンジンで動くが、ウインカーは搭載されていない。そのため、手信号で走るという。名前の通りの「原動機付自転車」。昭和42年式(1967年に製造された)の珍しい車両だそうで―。
【写真】昭和42年式、イギリス製の原付。後ろから見ると、燃料タンクも
英国郵政省で採用されたモペッド
持ち主は、古い車両が好きなX名・bentoos(@bentoos1)さん。原付はイギリス製で、正式名称は「49ccモペッドRaleigh Runabout rm6」。ペダルを漕いでエンジンをかけるオートバイをアニメで見て憧れ、昨年10月にネットオークションで約5万円で落札した。購入した車両は過去に英国郵政省で採用されていたものだという。
購入当初はエンジンもかからず、4カ月かけて整備。エンジンを分解して清掃し、パッキンなどを交換しては組み付け…。燃料供給の部品は特殊で、海外から取り寄せるなどし、今年2月に完成した。
ペダルを漕いだ動力でエンジンをかけ、家の近くをひとっ走り。実感したのは、「非力」だ。「非力ながらも笑顔になれる楽しさがありました。自転車の延長線上で、電動アシスト自転車のように補助をするためのエンジンに感じました」と話す。
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ウインカーはなくても大丈夫…?
警察官に声を掛けられたのも、この頃だ。法律では原動機付自転車はウインカーの装備が義務付けられている。一方、昭和44年3月31日以前に製造されたものには適用されないという。説明すると納得してくれ、「風が強いから気を付けてね」と見送ってくれた。
男性自身も危険性は認識しており、キープレフト、二段階右折、幹線道路は避ける、危ない場所は押して歩く…などを十分に徹底。夜間には、反射材を付けるようにしているという。もちろん、任意保険も加入済みだ。
X上に警察官とのやり取りを投稿すると、「まさに原チャリだ」「ロマンの塊」などと大反響。男性は「古い物にはストーリー性が感じられて、ロマンがあるのかなと思います。たくさんの人に本当の意味の原動機付自転車を知ってもらえたので、良かったです」とした。
(まいどなニュース・山脇 未菜美)
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