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IT企業の人事部で働くAさんは、ため息をつきながらオフィスの窓から外を眺めていました。立て続けに新入社員から退職願が提出されており、その対応に追われていたからです。
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Aさんは退職願を出した新入社員が配属されていた部署の上司Bさんから呼び出されました。Bさんは「なんであんな奴を採用したんだ」と厳しい口調でAさんを責めます。詳しく話を聞くと、その新入社員は突然出社しなくなり、そのまま退職願を送ってきたというのです。
Aさんが事情を詳しく調査すると、その新入社員が退職を決意するきっかけが、仕事でミスをした際の上司の叱責だったと判明します。叱責を受けた新入社員は翌日から体調不良を訴え、出社を拒否するようになったのです。
この事態を重く受け止めたAさんは、他の部署の管理職にも聞き取りをおこないました。すると、似たようなケースが他にもあることが判明したのです。些細なミスを指摘されただけで落ち込んでしまったり、上司からの厳しい言葉に耐えられずに退職を考えたりする若手社員が増えているという声が多く聞かれました。
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人事部にて対策会議がおこなわれますが、「最近の若者は打たれ弱いから仕方ない」という声があがり、具体的な解決策は見出せなかったのです。実際に最近の若者は打たれ弱くなったのでしょうか。キャリアカウンセラーの七野綾音さんに話を聞きました。
ー最近の若者は打たれ弱いといわれますが本当でしょうか
実際の就職活動で接している限り、最近の若者が特別打たれ弱いとは感じていません。確かに入社して間もなく退職する人もいますが、打たれ弱さではなく価値観の変化が原因だと考えています。
今の時代では食べる物に困ることは少なく、守られて与えられるのが当たり前の環境で育ってきている人が多いと感じます。我慢をしなくても生きてこれたわけです。特に若者にとっては今の会社でなくても他の選択肢が沢山あるため、上司に叱られるくらいなら辞めて他に行こうと考える傾向を感じます。
ー企業側はどのようにしたらいいのでしょうか
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まず「打たれ弱い」と解釈をしてしまうと根本解決につながりません。若者を理解するアプローチが必要です。
若者を打たれ弱いと考え、働きやすい環境をアピールする会社もあります。例えば、求人情報の「バーベキューで交流しています」や「わきあいあいとした雰囲気」という表現がそれにあたります。ただそれでは今の若者にマッチしません。
選択肢が豊富にある中で自社を選んでもらい、長く働いてもらうためには仕事のやりがいを伝えなければなりません。経営層や上司は、この仕事がどのように社会に役に立っているのか、どんな思いで会社が存在しているかといった理念を根気強く伝え続ける必要があると考えます。
仕事そのものの意義が伝われば、若者もすぐに投げ出すことなく働き続けてくれるでしょう。
◆七野綾音(しちのあやね)キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント やりがいを実感しながら自分らしく働く大人を増やして、「大人って楽しそう!働くのって面白そう!」と子ども達が思える社会を目指すキャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント。
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(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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