※画像はイメージです 暖冬による営業期間の短縮などで近年は厳しい経営を強いられているスキー場。それでもスキーやスノーボードが好きな人にとっては待ちに待った季節。なかにはシーズン中、何度もゲレンデに通うという人もいるだろう。
首都圏の某区役所に勤める地方公務員の高山定敏さん(仮名・35歳)は、夫婦揃ってスノーボードが大好き。妻の妊娠が発覚する前は、毎シーズン5回以上はスキー場に通っていたそうだ。ただし、7年前に訪れた長野県内のスキー場で衝撃的な体験をしたとか。
◆ゴンドラ内での異臭の後、しばらくしてプ〜ッという音が……
「まあ、どちらかというと笑撃的と言ったほうが適切かもしれないですけどね。当時はまだ結婚前だった妻とゴンドラに乗ったんですけど、6人乗りで自分たち以外にソロボーダー2人が向かいの席に座り、4人で出発したんです」
ゴンドラの相乗りはよくあることでそれ自体は別に気にならなかったが、出発して1分もしないうちに異臭が漂い始める。しかも、何のニオイかはすぐにピンと来たとか。
「腐った卵と言えばわかると思いますが、いわゆるオナラです。妻も同じタイミングで気づいたらしく、『オナラしたの?』って訴えかけるような視線を向けてきたため、首を振って全否定しました。
でも、そうなると屁を放ったのは、ソロボーダー2人のうちのいずれかになるじゃないですか。ただ どちらもシレッとした顔をしており、この時点では犯人が誰かはわかりませんでした」
とはいえ、生理現象なので仕方ないことは理解していた高山さん。真冬のゲレンデは日中でも気温が氷点下前後と寒いのでお腹を調子がイマイチな時もあり、自身も滑っている最中にオナラをした経験は一度や二度ではなかった。だから、犯人捜しをする気はまったくなかった。
◆突然、青年がオナラの主であることを認め、謝ってきた!
ところが、漂っていたニオイが薄れ始めたころ、今度はプ〜ッと気の抜けたような音が聞こえる。ゴンドラ内は思いのほか静かだったこともあり、少なくとも高山さんと妻はオナラの音であることをハッキリと認識していた。
「全員が友人同士なら『誰だよ、屁こいた奴は!』とか冗談っぽくイジれますが、初対面の方相手にそんなの絶対言えないじゃないですか。当然、選択肢はスルーの一択しかなく、何事もなかったことにしてそのまま流すつもりでした。
けど、ソロボーダー2人のうち、まだ20歳前後と思われる若い男の子が恥ずかしそうな態度で急にうつむき始めたんです」
瞬間的にオナラの主であることを察したが、かといってそれを指摘するようなマネはしない。だが、いたたまれなくなったのか俯いていた若いボーダーが「す、すみません!」と突然謝り出したのだ。
この状況に高田さんが「大丈夫ですから」と返事をすると、すかさず彼女も「今日、寒いですからね」とフォロー。すると、この様子を見ていたもう1人のソロボーダーも「気にしなくていいから」と声をかけていたそうだ。
◆ゴンドラを飛び出しトイレに駆け込んでいった
「逆にこっちが焦りましたよ。謝られた以上、無視するわけにもいかず、かといって咄嗟のことでどう言葉をかけていいのか正直困りました。
今思うと、オナラをかました青年を3人の男女が慰めるという大変シュールな光景だったと思いますけどね(笑)」
ゴンドラはそうこうしているうちに到着。すると、青年は再び「すみませんでした!」と頭を下げて謝罪すると、いの一番にゴンドラを飛び出し、近くのトイレにダッシュで駆け込む。その様子を見て高田さんは新たな疑問がよぎったとこの時のことを振り返る。
◆オナラ以上の大惨事が起きていた可能性も……
「ひょっとするとオナラどころじゃ済まない最悪の事態になったんじゃないかなって。ここだけの話、私もそういう経験があるんです。いきんでデカいオナラをしようと思ったら、そのまま実が出ちゃった。
そのことを思い出しちゃったら彼のことは笑えないですよ。もし私の想像していた通りの状況が起きていたら、こんな場所でやらかすなんて最悪以外の何物でもないですから」
特にスキー場のような場所だと近くにトイレがないことが多く、いちいち脱ぐのが面倒で我慢してしまう人もいるだろう。その結果がオナラ程度で済めばまだいいが、これだけでは終わらない可能性もある。
こういう場所だからこそ逆にこまめにトイレに行くなどしっかりと体調を管理すべきなのかもしれない。
<TEXT/トシタカマサ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。