国内最終追い切りを行ったイグナイター(撮影:大恵陽子) 2022年、23年と2年連続でNARグランプリ年度代表馬に輝いたイグナイター(牡7、兵庫・新子雅司厩舎)が12日、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で2月22日に行われるリヤドダートスプリント(3歳上・沙G2・ダ1200m)へ向けた国内最終追い切りを行った。
昨年は地方馬としてアジュディミツオー以来19年ぶりにドバイ遠征を行ったイグナイター。2年連続で中東遠征を行う。その昨年はJRAの協力の下、栗東トレセンで出国検疫を行い、新子調教師と栗東・友道康夫厩舎の前川和也調教助手に親交があったことから、同助手が担当するドウデュースがコースや坂路までの道のりを先導してくれるなど、垣根を超えた助け合いがあった。しかし、今年は栗東トレセンの利用が叶わず、栃木県那須塩原市の地方競馬教養センターで出国検疫を行っている。
同センターは地方競馬でデビューを目指す騎手候補生の養成施設。JRAで言う競馬学校にあたり、全長755mの坂路と、1周1100mの周回コースを擁する。午前中は騎手候補生の訓練があること、また深夜は凍結のリスクがあり馬場が使用不可能なことから、追い切りは午後に行われた。
普段から同馬の調教をつける新子調教師が騎乗し、周回コースで4F48秒7-3F36秒4-2F24秒1-1F11秒5(教官による計時)でスピード溢れる走りを見せた。
「昼の調教でも日々のサイクルとしてはそう変わりなく調整をすることができました。時計は50秒を切るか切らないかくらいの体感だったので思ったより出ましたが、感触は良かったです。あとは来週火曜日に現地で追い切ってスイッチを入れれば、というところです」
最終追い切りを見守った野田善己オーナーは「サウジ遠征を決めた理由の一つには、レモンポップの存在があります。同い年でずっと偉大なライバルでしたが、国内では敵いませんでした。レモンポップが成し得なかったことを一つでも果たしたいと思っています」と話した。
同馬は明日、成田空港からサウジアラビアに向けて出国予定。昨年のドバイゴールデンシャヒーン5着のリベンジを、中東の地で目指す。
(文:大恵陽子)