衆院本会議で答弁する石破茂首相=14日午後、国会内 石破茂首相は14日の衆院本会議で、「高額療養費制度」の患者負担上限を引き上げる政府方針を修正する意向を示した。「当事者の声も真摯(しんし)に受け止め、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう、提案の修正を含め対応する」と述べた。立憲民主党の阿久津幸彦氏が「凍結」を求めたのに対して答えた。
同制度は医療費が高額となった場合に患者負担を抑制する仕組み。上限引き上げについてがん患者らから「治療の断念につながる」などと懸念の声が出ている。
首相は引き上げ方針の背景として、高齢化や高価な薬剤の普及に伴って制度の利用が急増し、現役世代の保険料負担が課題になっていると説明。その上で「世界に誇るべき医療保険制度の大切なセーフティーネットを将来にわたり堅持しつつ、保険料負担の抑制につなげることが必要だ」との認識を示した。