
【写真】酒井敏也、山下親子(広瀬すず&リリー・フランキー)が通うラーメン店の店主・染田を演じる
◆酒井敏也、演じた染田に感情移入「本当にかわいそうすぎて、泣いちゃいました」
本作は、浅見理都の同名漫画を原作に、クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘・山下心麦が、遺された手紙を手がかりに真相に迫るヒューマンクライムサスペンス。父が遺した手紙には“冤罪(えんざい)”の文字が…事件の真相に迫るとき、現在と過去の2つの事件が複雑に交錯していく。
第4話では、屋台ラーメン店の店主・染田が心麦の父・山下春生が遺した手紙の偽造を告白。しかし、心麦に問い詰められると、染田は「偽造していない」と明かす。弁護士の松風義輝(松山ケンイチ)の力を借りて、警察に掛け合おうとするも染田は行方不明に。まもなく遺体となって発見されてしまう。
――染田というキャラクターをどのように作り上げていきましたか?
酒井:屋台ラーメン店の店主と聞いたときは、ほっこりするような役なのかと思いきや、寂しい過去を持っていてびっくりしました。染田さんを演じるにあたっては、監督のプランに任せようと考えて挑んでいます。ただラーメン屋さんということで、時間を作ってもらって湯切りなどの練習をしました。ただ、まだ湯切りは下手で…。自分で作ってみたりもするのですが、難しいですね。具は用意していただいているので、その通りに作れば染田さんのラーメンになるはずなんですが、自分で一から作ると違っていて…、ラーメンって奥深いですね。
――第4話で染田が抱えていた過去が明らかになりました。
酒井:本当にかわいそうすぎて、泣いちゃいました。原作、台本の両方とも読んでいますが、染田さんはこんな展開を迎えてしまうのかと。染田さんのように苦しんだ方は、きっとバブルが弾けたときにたくさんいらっしゃったんですよね。うちの実家もどちらかというとそんな感じでした。染田さんのようにアパートで1人で寂しく暮らすというのは、本当に切ないなと感じました。
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酒井:僕もしばらく1人で生活していた時期があったので。家へ帰って「ただいま」と言ったら、「おかえり」と言ってもらえる人がいないことは本当に寂しいんですよ。そして染田さんは息子の悟のことを離れてからもずっと思っていたんだなと。染田さんの最後は事故なのか事件なのか曖昧な感じですし、誰か弔ってくれる人はいるんですかね…。
――山下親子の姿に、自身の息子を思う気持ちが重なったんですかね。
酒井:染田さんが思い描いていた家族の続きを見せてくれたのかなと思います。
◆山下親子は、酒井そして染田にとっても“いい親子”
――染田から見た山下親子はどんな親子に見えていたんでしょうか。
酒井:シングルファーザーとして心麦ちゃんを大切に育てている山下さん。若い娘さんとお父さんが一緒に屋台のラーメンを食べに行くというのも素敵ですよね。そんな親子を一夜にして裂いてしまう事件…、こんなのちょっとひどいんじゃないって思いました。
――広瀬さん、リリーさんの撮影現場での様子はいかがですか?
酒井:仲がいいんですよ。それにお2人ともすごくラーメンを食べられていますね(笑)。リリーさんとは、 撮影の合間にお互い腰が痛いこともあって「歳をとるといろんなところが痛くなりますね」という話をしていました。本当に仲のいい親子像だったのでもっと側で見ていたかったです。
――信じることがキーポイントになっているドラマですが、酒井さん自身が何かを信じるときに大切にしていることは?
酒井:直接信じることにつながるかどうかは分かりませんが、楽しむことが大切なのかなと思います。例えば大谷翔平選手が野球をしている姿を見ると、野球だから苦しい場面もあるけれど、それすらも楽しんでいる感じがするじゃないですか。今回、この作品のチームの一員として参加させてもらって、みんなが一生懸命にいい画を作っていく作業がとても楽しいんです。なので、染田さんという役は悲しいですが、信じて付いていっています。
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酒井:染田さんが山下さんの手紙を本当に偽装したのか分からないまま4話が終わっていますが、「この展開で本当にこのクールで終われるのかな?」と思いますよね。僕も初めて台本を読んだときに、「これはもしかしたら1クールでは終わらないのでは?」と感じたくらい話が面白いですし、考察が止まらないです。毎回台本を読むたびに、話の結末に思わず「え!」と声を出してしまうことも多々ありました。今後もすごく面白くなっていくので楽しみに見ていただきたいです。
金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』は、TBS系にて毎週金曜22時放送。