早紀江さん「一目だけでも…」=有本明弘さん死去、拉致被害者も悼む

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2025年02月17日 10:31  時事通信社

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北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さんの父明弘さんの死去を受け、記者会見する横田早紀江さん=17日午後、川崎市
 北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さん=拉致当時(23)=の父明弘さんが96歳で死去したことを受け、拉致被害者横田めぐみさん=同(13)=の母早紀江さん(89)が17日、川崎市内で記者会見し、「間に合わなかった。一目会わせてあげたかった」とつらい胸の内を語った。

 拉致被害者の親世代で存命なのは早紀江さんのみとなり、「いよいよ1人になってしまった」とこぼした。明弘さんが妻嘉代子さん=2020年2月、94歳で死去=と共に熱心に活動をしてきたことを振り返り、「これだけ頑張られたのに、一目も会えなかった。何でこんなに(拉致問題が)動かないんだろう」と悔しさをにじませた。

 拉致被害者家族連絡会(家族会)の代表で、めぐみさんの弟の拓也さん(56)は同日、「本当に残念です。日本政府は速やかに日朝首脳会談を行い、全拉致被害者の即時一括帰国を実現してほしい」とのコメントを出した。

 拉致被害者からも悲しみの声が上がった。曽我ひとみさん(65)は「最後の瞬間まで恵子さんとの再会を果たそうとしていたのだと思うと、残念でなりません」とするコメントを発表。地村保志さん(69)、富貴恵さん(69)夫妻も文書を出し「親世代が存命のうちに拉致問題が早期に解決されますことを心より願ってやみません」とつづった。 

北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)の結成20年を前にした記者会見で、新聞「夕刊フジ」を手に訴える拉致被害者の有本恵子さんの父明弘さん(中央)=2017年3月、東京・永田町
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)の結成20年を前にした記者会見で、新聞「夕刊フジ」を手に訴える拉致被害者の有本恵子さんの父明弘さん(中央)=2017年3月、東京・永田町

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