真夜中の林道で“あおり運転”に遭遇。30分以上あおってきた後続車には“意外過ぎる目的”が…

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2025年02月17日 16:10  日刊SPA!

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※画像はイメージです
 あおり運転の多くは、後方からの追い上げによるものが少なくありません。
 ミラー越しに大きく映る後続車は、パッシングやクラクションで威嚇し、非常に不安な気持ちにさせます。今回取材に応じてくれた男性は、夜道で執拗にあおられ続けた恐怖体験を話してくれました。

◆我慢できなかった真夜中の空腹

 郊外の閑静な住宅街に両親と同居する米倉さん(仮名・32歳)は、幼稚園の頃に引っ越してきたため、かれこれ28年もこの地に住んでいます。自然も豊かで、都内で働く米倉さんにとっては、日々の疲れを癒やす大切な場所です。

「勤務先では人間関係や仕事のプレッシャーでストレスが多いのですが、最寄りの駅から自宅までの帰り道で気持ちがリセットされます。ただ、飲食店やスーパーが近くにないのは不便です」

 そんなある真夜中、無性に牛丼が食べたくなったといいます。当然、近隣にはそのような店舗がなく、米倉さんは隣街まで車を走らせることになりました。

◆近道の県道で道を間違えてしまった

 お目当ての牛丼を堪能した米倉さんは、隣のコンビニでコーヒーを購入し、帰りは近道を選ぶために山間の県道を走ることにしました。

「行きと同じ市街地を通ると、この時間でも結構交通量が多く、翌日は午前中に大切な会議があることを思い出したので、半分の時間で帰ることができる地元民しか知らないようなルートで帰ることにしました。しかし、久しぶりだったので、途中で道を間違えてしまった。

 引き返すにも、道路幅は狭いし、街灯も全くなく、だんだんと不安になってきたのを覚えています」

 少し前には、牛丼を食べて幸せな気分に浸っていた米倉さんですが、その幸福感は次第に薄れていき、近道を選んだことを後悔するようになったといいます。

◆真っ暗の林道でまさかのあおり被害

 真っ暗な夜道を注意深く運転していた米倉さんは、さらなる恐怖に直面しました。

「道幅が狭く、脱輪の不安から慎重に走行していたところ、ルームミラーに映るヘッドライトを見て一瞬で鳥肌が立ちました。本当に恐ろしかったです。市街地ならまだしも、こんな山奥の細い道を通る車がいるなんて考えられませんでした。手が震えていたのを今でも覚えています」

 後続車はヘッドライトを点滅させ、時折クラクションを鳴らしながら近づいてきました。

「警察に電話する余裕もなく、停車すれば襲われるかもしれないと思いましたが、細い道だったためスピードを上げることもできず、これほど生きた心地がしなかったことはありませんでした」

◆まさかの行き止まり。「終わった」と思った瞬間……

 米倉さんにはさらなる不運が訪れました。あおりが始まってから約10分後、左前方に民家の明かりが見えたため、その方向に向かうY字路を左に進んだのです。しかし、状況は悪化しました。

「藁をもつかむ思いでハンドルを左に切り、少し加速しました。後ろのあおり車両を気にする余裕はもうありませんでした。しかし、数百メートル進んだところで道路が終わってしまいました。行き止まりです。『もう終わりだ』と、本当に思いました」

 後続車もピタリとついてきていて、次の瞬間「ガチャ」というドアを開ける音とともに男性が降りてきたそうです。

「兄ちゃん、牛丼屋でこれを忘れたんじゃないか」

と、財布を手渡された米倉さん。どうやら、後から入店し隣に座った男性が財布に気づき、牛丼店からずっと追いかけてくれていたといいます。

「腰が抜けたようにホッとしたのを覚えています。平身低頭して何度も謝りました。本当に怖かったです」

<TEXT/八木正規>

―[シリーズ・危険!あおり運転]―

【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

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