「応援が泣きそうなほどうれしかった。すごく楽しかった」
2月16日、こう語ったのはタレントの佐藤弘道(56)だ。この日、熊本市で行われた熊本城マラソンのファンランに参加し、3.5kmの道のりを完歩した佐藤。歩くことの楽しさと喜びを噛みしめていた。
佐藤にとって3.5kmを歩ききることは、かつては想像すら難しいことだった。というのも’24年6月、佐藤は脊髄梗塞を発症。下半身まひとなり、活動を休止したのだ。
「佐藤さんが倒れたのは、鳥取で仕事がある日でした。朝に都内の自宅で左足が痺れてリビングで転倒し、空港につくと今度は背中から腰にかけて激痛に襲われることに。奥さんの手を借りて何とか飛行機に乗ったものの、痛みで動けなくなってしまったそうです。着陸後に現地の病院に行ったところ『脊髄梗塞かもしれない』と診断されたといいます」(週刊誌記者)
脊髄梗塞とは、脊髄につながる血管が血栓などの理由で詰まってしまう疾患のこと。この病気によって下半身まひとなったことは『おかあさんといっしょ』(NHK Eテレ)の「第10代 体操のお兄さん」であり、卒業後は体操インストラクターとして活躍していた佐藤にとって受け入れられないことだった。佐藤は本誌’24年9月10日号で、当時の苦しみをこう回想している。
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「理学療法士さんや作業療法士さんがたびたび『回復が早いですね』などポジティブな声掛けをしてくれたのですが、自分の心の中は『これからどうなるんだろう……』という不安ばかり。
ネットで調べても《経過観察でしかわからない》とされているし、できることはせいぜい足の指をなんとか動かして『神経つながってくれ……』と願うだけで」
さらに尿意や便意の感覚を失ったショックも大きく、「尿管を入れていましたし、排便を促すために毎日薬を飲み、腸を動かして便を軟らかくした後にトイレに向かうのですが、すぐには出られません。最初はオムツを外すこともできず、『このままの生活は耐えられない』と思い悩む日々でした」と語っていた。
体の自由を奪われたことで、一時は病室の窓を見て「いっそ、ここから飛び降りてしまおう」とまで考えたという佐藤。追い詰められた佐藤を絶望から救ったのは、他ならぬ家族だった。入院の2日後からは家族のグループLINEを使って、面白い動画を送ったり、ポジティブな声がけをつづけたという。
「ファンからの応援メッセージや、’24年10月に放送された『おかあさんといっしょ』放送65年記念番組の出演オファーも支えに。周囲の励ましによって、『一歩でもいいから歩きたい』という気持ちが芽生えてきたそうです。
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ごく限られた動かせる神経を頼りに、懸命に足を動かす努力を続けた結果、3週間で鳥取県内の病院から都内の病院に移り、リハビリ病院を経て8月20日に退院報告をしました。もともと退院は12月の予定だったにも関わらず、奇跡のスピードで回復を遂げました」(前出・週刊誌記者)
現在もリハビリを続けているという佐藤。熊本マラソン終了後、「来年はジョギングくらいできるようになりたい」と展望を語っており、いまは前向きに人生をとらえているようだ。
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