今日19日、日本気象協会は「2025年春の花粉飛散予測 第4報」を発表しました。2025年春の花粉は、長引く寒波が過ぎ去る2月末から急増し、3月上旬からピークを迎える所が多いでしょう。飛散量は広い範囲で例年より多く、四国・近畿は例年の2倍以上の所も。今のうちに対策を。
●2025年 スギ花粉の飛散開始時期
スギ花粉の飛散開始は、九州から関東は、一部で例年よりかなり早くなりましたが、広い範囲では例年並みか遅い傾向です。東北は例年並みか早いでしょう。
スギ花粉は、1月に九州や中国、東海から関東の一部で例年よりかなり早い飛散開始となりました。その後、2月中旬までに、九州の広い範囲と、近畿から東北の一部で飛散開始しています。一方、 2月の立春を迎えたころから強い寒気が流れ込み、2月中旬にかけて九州から東海の気温は平年より低く推移しています。このため、中国地方の広い範囲と四国では飛散開始が例年より遅れています。また、この先2月の最終週前半にかけて厳しい寒さが続くため、近畿や東海と北陸でも飛散開始は例年より遅くなる所が多い見込みです。2月末には長引く寒波がようやく終わり、中国、四国から甲信にかけての広い範囲と、東北の一部で飛散開始となるでしょう。北陸や東北では3月上旬から中旬にスギ花粉シーズンを迎える所が多い見込みです。東北では2月から3月の気温が平年並みか高く推移すると予想され、飛散開始は例年並みか早いでしょう。
※日本気象協会の観測で飛散開始日を確認している地点は次の通りです。
東京都 千代田区 2月15日 (15日3.7個/ cm2、16日 5.6個/ cm2)
●スギ・ヒノキ花粉のピーク時期
今シーズンのスギ花粉は、飛散が始まるとすぐに飛散量が増加し、ピークを迎えることが予想されます。スギ花粉のピークの時期は、福岡では2月末からとなる見込みです。3月上旬には、高松、広島、大阪、名古屋、金沢、東京、仙台など広い範囲でピークを迎えるでしょう。ピークの期間は10日間から1か月ほど続く見込みです。
また、ヒノキ花粉のピークは3月下旬から4月上旬で、期間は5日間から2週間ほど続くでしょう。仙台はヒノキの飛散量は少なく、はっきりしたピークは現れない見込みです。
風が強く吹く日や、急に暖かくなる日には、花粉の飛散が極めて多くなり、1cm2あたり100個以上観測される日がありそうです。花粉情報や気象情報を確認して、万全な対策を心がけましょう。
|
|
●2025年 春の花粉飛散量予測<例年比>
2025年春の花粉飛散量は、例年(過去10年の平均)に比べると、九州から北海道にかけてのほとんどの地域で多く、四国・近畿地方は非常に多い所もあるでしょう。東北北部は例年より少ない見込みです。
●2025年 春の花粉飛散量予測<前シーズン比>
2025年春の花粉飛散量は、前シーズン(2024年)と比べると、九州から近畿地方では非常に多く、飛散量が大幅に増加する見込みです。また、北陸・関東甲信と東北南部も多い傾向です。東海は前シーズン並み、東北北部と北海道は少ないでしょう。
●花粉飛散量予測の根拠
|
|
2024年の夏は猛暑となり、花芽の形成に好条件な「高温・多照」という気象条件が九州から北海道にかけて揃いました。一方、花粉の飛散量は、前年春の飛散量が少ないと増え、多いと減少する傾向があります。2024年春は花粉の飛散量が抑えられた地域が多かったことから、2025年春は2024年に比べ飛散量が増加する地域が多いと考えられます。
また、日本気象協会がおこなった花芽調査では、スギ雄花の花芽の量は、四国、近畿、東海地方で、例年より多い傾向であることが確認されています。また、植物や森林の研究者と開催する研究会では、関東地方でも例年と同じくらいか例年より多いことが報告されています。一方、環境省が2024年12月に発表したスギ雄花花芽調査の結果によると、東北地方は例年より少ないとされています。
これらのことから2025年春の花粉飛散量は、例年に比べて、九州から北海道にかけてのほとんどの地域で多く、非常に多い所もあるでしょう。東北北部は2024年春の飛散量が非常に多かったことと、夏に日照時間が少ない時期があったことが影響し、例年より少ない見込みです。前シーズン(2024年)に比べると、九州から近畿地方は非常に多く、北陸・関東甲信と東北南部も多い傾向です。東海地方は前シーズン並み、東北北部と北海道は少ないでしょう。
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 一般財団法人日本気象協会 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。