自民党は2月18日、所得税がかかり始める「年収103万円の壁」について、年収が200万円以下の場合に限り、課税水準を160万円に引き上げる案を公明党、国民民主党に提示した。2段階の所得制限を設けて低所得者の控除額を増やす狙いだが、中間層への恩恵はほぼなく、批判が噴出している。
自民党は昨年12月、「年収103万円の壁」を123万円に引き上げる案を示したが、178万円を主張する国民民主党が猛反発し、協議が中断していた。
新たに自民党が示した案は、年収によっては従来方針の123万円に上乗せし、年収200万円以下の人は非課税枠を160万円に、200万円を超え500万円以下の人は2年間限定で133万円に引き上げ、500万円を超える人は上乗せはなく123万円というもの。
この自民党案に対し、国民民主党の玉木雄一郎代表(役職停止中)は18日、自身のXで《200万円相当の対象者は300万人で、所得税納税者数5,500万人のうち約5%しか対象になりません。減収額も400億円?500億円に過ぎません》と、恩恵を受ける対象者も金額も少ないと反論。
《物価高で困っているのは低所得者だけではありません。対象をもっと拡大すべきです》と指摘。《内容が不十分なのに加えて、制度が複雑過ぎます。「103万円の壁」を引き上げようとして、所得制限という新たな「壁」を設けるのは避けるべきです》と、所得制限を設けることに否定的な考えを述べ、19日の投稿でも《所得制限の撤回を求めていきます》と考えを強調した。
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「200万円以下」の所得制限に対し、X上でも批判が噴出した。
《基礎控除が累進性って、どんだけアホなのかね ケチとかのレベルを越えてるね》
《200万円以下とか馬鹿なんじゃないかと思います 所得制限するにしても、我々と感覚が離れてますね。500万でも富裕層では全然無いのに…》
《年収200万円以下?中間層への減税策だって言ってるのがわからないの?》
《自民アホすぎる。200万で所得制限って真面目に働く労働者を馬鹿にしすぎだろを》
「政府はほかにも、医療費が高額になった患者の自己負担を抑える”高額療養費制度”を見直し、今年8月から、ひと月あたりの負担の上限額を引き上げることを決めました。がん治療など長期の治療が必要な人には命に直結する問題なので、すでに猛反発されています。
また、厚生労働省は賞与を除く年収798万円以上の会社員らが支払う厚生年金の保険料を’27年9月から3段階で増額する方向で調整に入りました。’29年9月までに現在の月5万9475円から約9000円増やし、上限も引き上げます。ボーナスのない年俸制などの場合、年収800万円といえど、子育て世代などでは決して生活がラクとはいえないはずです。
200万円以下の所得税額は金額も少なく、低所得者に対してもそもそも恩恵が少ない上に、中間層以上へは実質k“増税”とあれば、物価高で喘ぐ国民の反発は免れないでしょう」(全国紙政治部記者)
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国民の我慢は限界を迎えている。
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