野木亜紀子氏、全財産400円の過去 映画『ラストマイル』でキネ旬の脚本賞に感慨「何一つ無駄なことはなかった」

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2025年02月20日 19:56  ORICON NEWS

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全財産400円の過去を語った野木亜紀子氏 (C)ORICON NewS inc.
 脚本家の野木亜紀子氏が20日、都内で行われた映画雑誌「キネマ旬報」を発行するキネマ旬報社による映画賞『2024年 第98回キネマ旬報ベスト・テン』授賞式に登壇。映画『ラストマイル』で日本映画脚本賞を受賞した。

【写真】スーツ×デコ出しスタイルの松村北斗

 映画『ラストマイル』は、『アンナチュラル』(2018)の法医学ミステリー、『MIU404』(2020)の機捜エンタテイメントに続く、監督・塚原あゆ子×脚本・野木亜紀子の最強タッグによるノンストップ・サスペンスエンタテインメント。11月、流通業界最大のイベントのひとつ“ブラックフライデー”の前夜、世界的なショッピングサイト最大手から配送された段ボール箱が爆発する事件が発生。やがてそれは日本中を恐怖に陥れる謎の連続爆破事件へと発展していく。

 壇上で野木氏は「今回の賞のメールを受け取って、何かの間違いじゃないかと3回ぐらい本当に見直してしまった」と笑わせた。厳しい批評家がいる『キネ旬』。そこで賞を受賞し「このようないわゆるエンタメで、テレビのドラマとつながってはいない。とはいえ、そこから派生している映画を選んでいただけることにすごく感謝しています」と話していた。

 さらに「振り返れば、私は皆さんご存知の通り、テレビドラマの脚本で成り上がってきたわけですが。もとは日本映画学校という今はない専門学校で映画を志していたはずが、その後ドキュメンタリーに8年ぐらい従事して。で、その後は脚本家になろうとは思ったんですが、なかなかなれず…。アルバイトや派遣社員で食いつないだ。ひどい時は全財産400円で『これ給料日までどうやって生きていくんだろうな』というようなこともありつつ」と苦難の連続だったことを振り返る。

 それでも「何とかドラマの脚本家になることができ、そんな中で、今回の映画を一緒に作った監督の塚原あゆ子監督と新井順子プロデューサーと一緒にドラマを作った先にこのような賞をいただきました。映画を志してから約30年かかったわけですが、何一つ無駄なことはなかったし、これまで出会った、そして支えてくださった皆さんに感謝しています」としみじみと話していた。

■『2024年 第98回キネマ旬報ベスト・テン』受賞一覧
【作品賞】
・日本映画ベスト・テン第1位:『夜明けのすべて』(三宅唱監督)
・外国映画ベスト・テン第1位『:オッペンハイマー』(クリストファー・ノーラン監督)
・文化映画ベスト・テン第1位:『正義の行方』(木寺一孝監督)

【個人賞】
・日本映画監督賞:三宅唱(『夜明けのすべて』)
・日本映画脚本賞:野木亜紀子(『ラストマイル』)
・外国映画監督賞:クリストファー・ノーラン(『オッペンハイマー』)
・主演女優賞:河合優実(『ナミピアの砂漠』、『あんのこと』)
・主演男優賞:松村北斗(『夜明けのすべて』)
・助演女優賞:忍足亜希子(『ぼくが生きてる、ふたつの世界』)
・助演男優賞:池松壮亮(『ぼくのお日さま』、『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』)
・新人女優賞:中西希亜良(『ぼくのお日さま』)
・新人男優賞:越山敬達(『ぼくのお日さま』)
・読者選出日本映画監督賞:三宅唱『夜明けのすべて』
・読者選出外国映画監督賞:クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』
・読者賞:斎藤環『映画のまなざし転移』

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