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2025年02月24日 06:11 ITmedia PC USER
中国Shenzhen GPD Technology(GPD)の国内正規代理店である天空は2月21日、小型ゲーミングPC「GPD WIN Mini 2025」の実機を、ハイビーム秋葉原本店(東京都千代田区)で披露した。
従来モデルからの変更点や、話題のゲームのベンチマークテストスコアについての説明がなされた他、WIN Miniシリーズ初となるホワイトモデルの展示も行われた。
●GPD WIN Mini 2025とは?
GPD WIN Mini 2025はクラムシェルタイプの7型ポータブルゲーミングPCで、バックライト内蔵の物理QWERTYキーボードとゲーミングパッド、トリガーボタンなどを備えている。
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画面解像度は最大1920×1080ピクセルで、120Hzのリフレッシュレートに対応した10点タッチ操作が可能な液晶ディスプレイを搭載しており、本体サイズは公称値で約172(幅)×109(奥行き)×27(高さ)mm、重量は約555gとコンパクトかつ軽量だ。
プロセッサはRyzen AI 9 HX 370またはRyzen 7 8840Uを採用し、それぞれ内蔵グラフィックスはRadeon 890MとRadeon 780M、メモリは32GBと16GB(LPDDR5X)、ストレージは2TBと1TBのM.2 SSDとなっている。
インタフェースはUSB4 Type-C、USB 3.2 Type-C、USB 3.2 Standard-A、3.5mmヘッドフォン/マイクロフォンの各端子と、microSDメモリーカードスロットを内蔵する。USB4端子を介して同社製の外付けGPUボックス「GPD G1」に接続し、スペックアップすることが可能だ。
ジョイスティックをキーボード上部の左右に配置し、十字キーやABXYボタン、R1/R2、L1/L2トリガーに加え、機能を割り当てられるカスタムボタンのL4/R4ボタンを装備する。
繊細な操作を行えるタッチパッドもキーボード上部に配置しているが、ゲーム時と通常のPC操作時を瞬時に切り替えられるよう、ゲームパッド/マウスモード切り替えトグルスイッチも採用している。
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内蔵バッテリーの容量は44.24Whで、ゲームプレイ時は(負荷によるが)1時間から3時間、動画視聴や事務作業などであれば6時間ほど使えるという。フル充電しないことでバッテリーの寿命を伸ばす「いたわり充電」設定を、UEFI(BIOS)メニューから行うことも可能だ。TDPは最大35Wで、GPD「MotionAssistant」ユーティリティーで変更できる。
発表会では2月28日に発売予定のゲーム「モンスターハンターワイルズ」のベンチマークテストの結果も公開された。
それによれば、TDP 35W設定時に1280×720ピクセル(HD画質)/最低画質で16297の「快適」、同高画質で「11631」、1920×1080ピクセル(フルHD画質)/中画質でも10518という結果だったという。
天空の山田拓郎社長は「フルHDでも30FPS程度でプレイできるが、GPD WIN Mini 2025は7型という小さいディスプレイなので、HD解像度の高画質の設定でプレイしたとしても、十分満足していただけるのではないかと思っている」と解説した。
●従来機から変わったところは?
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パッと見ただけでは、従来モデルの約168(幅)×109(奥行き)×26(高さ)mmというサイズから、多少大きくなっただけのように思える。これは冷却機能を強化したことに起因するもので、最大TDPを28Wから35Wに引き上げられるようになった。
効率良く本体を冷やすためにシャシーをゼロから設計し直し、高熱伝導性素材を採用した冷却モジュールと新型ファンの搭載により、熱伝導率は50%、放熱性は35%向上したとアピール。これにより、長時間のゲームプレイも快適に行えるようになったという。
スピーカーの位置もキーボード側の前面に移動し、専用のオーディオチップを内蔵することで、ヘッドフォンなどを使えば臨場感のあるオーディオ体験を味わえそうだ。
細かい部分では、オプションのグリップが一体化した上、工具を使わずはめ込むだけで使えるように変更された。デスクトップPCとして使いつつ、ポータブルゲーミングPCとして利用する際にグリップの着脱が簡便になったので、切り替えもスムーズに行えるだろう。
●ファーストインプレッション
短い時間であったが、実機に触れる機会を得た。まず、ホワイトモデルについてだが、GPD本家のWebサイトで見た写真より、実物の方が数段「良い」と感じた。
写真で見たときには「ボディーを白にするんだったら、キーボードやゲーミングパッドのボタン類の色も白または淡い色に変えてよー」と思っていたのだが、黒でも違和感がなかったというのが正直なところだ。
また、ボディー表面のサラサラとした質感が、白い色と相性が良いとも感じた。何より、液晶ディスプレイを閉じると白一色になる。
前述のゲームパッド/マウスモード切り替えトグルスイッチは、従来モデルは背面にあったが、本機では左側面になった。これは、手に持った状態で操作しているときにアクセスしやすいと感じた。
タッチパッドはサイズこそ小さいものの、感度が良い。キーボードのキーピッチは明らかにされていないが、キートップのサイズはだいぶ小さい。それでも親指でポチポチ操作しやすいと感じた。これは以前、「GPD MicroPC」のキーがかなり硬かったため、筆者がその先入観を持ったまま触ったからではないかと思う。
タッチ&トライのタイミングで、モンスターハンターワイルズのベンチマークテストが行われたが、このサイズの小型ゲーミングPCなのによく動くと感心した。なお、動画は1920×1080ピクセル(フルHD画質)/最低画質で動作させているところで、ベンチマークテスト後半の高負荷の箇所だ。
(C)CAPCOM
●発売までの期間限定で予約特典あり
価格はRyzen AI 9 HX 370モデルが23万2000円、Ryzen 7 8840Uモデルが14万6000円だが、予約販売価格はそれぞれ22万8000円と14万2000円となっている。予約期間は、出荷の始まる3月上旬までとのことだ。
また、予約特典として新しくなった一体型ゲーミンググリップとGPDロゴ入り液晶クリーナーが付属する。なお、ホワイトモデルはRyzen AI 9 HX 370モデルでのみ選べるが、ゲーミンググリップのカラーはブラックのみなので注意しよう。
山田社長は、「Ryzen AI 9 HX 370搭載モデルの価格は高めだが、CPUのみで最大50TOPS、システム全体で最大80TOPSの処理能力があることからAI PCにも対応している。満足してもらえる製品なのではないかと思う」と語っていた。
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