粗品 Official Channel『【粗品】最近のSNSニュース斬った【1人賛否】 』 お笑いコンビ・霜降り明星の粗品が、公式YouTubeチャンネル『粗品 Official Channel』で展開する「1人賛否」シリーズについて、興味深いデータを公開した。
◆有名人に辛辣コメントで平均約94万の高い再生回数
「1人賛否」は、粗品が一人で話題のネットニュースについて、賛否両方のサイドの意見を交えて論を展開する企画。自分の意見ではなく、“全部コント”だと前置きした上で、さまざまな有名人に対して辛辣なコメントを送るのが恒例となっている。
この「1人賛否」だが、企画をはじめてから1周年となり、粗品は、自身のチャンネルで2025年2月13日までに公開した動画にて関連データを公開。1年間で48本の動画を公開し、総再生数は約4500万回だとした。
動画1本あたり約94万の再生数となり、他の芸人が配信する動画と比べてもかなり高い数値となっている。なぜ、粗品の「1人賛否」は人気が高いのか? 1周年を迎えたということで、今回改めてこの企画の魅力に迫りたい。
◆KAT-TUN解散など炎上しそうなネタもトーク力で“聞かせる”
まず、「1人賛否」はネタの選別が非常にうまい。
2月17日に配信した現時点での最新動画では、吉本芸人のオンラインカジノ問題にふれながら、宮迫博之のキックボクシングデビュー、KAT-TUNの解散、STARTO ENTERTAINMENTのジュニア3グループ再編も取り上げている。
宮迫以外はうかつに発言すると炎上しそうなネタだが、粗品は真っ向勝負で果敢(かかん)にもトークテーマとする。
危ないテーマをネタにする取り組みは1年間を通じて行われていたもので、逃げない姿勢が多くのファンを生み出した。
また、炎上しそうなテーマをネタにした際は、細心の注意をはらい、笑いにつなげる努力をしているのも魅力の一つ。
STARTO社のグループ再編については、5人組グループ「KEY TO LIT(キテレツ)」が誕生したことについて、「推しがある日突然キテレツになった皆さま、ご愁傷さまです」と絶妙なイジり。また、ファンは他のグループの推しから『キテレツ大百科』のキャラクターにかけて、ブタゴリラと命名されると予想。
この発言に「この動画でやっと笑えました。ありがとう粗品」など、笑いに変えてくれたことに感謝する「KEY TO LIT(キテレツ)」のファンのコメントが多く寄せられた。
粗品は「1人賛否」で危険度高めのネタを選び、とがった発言をするが根底にはすべてを笑いに変える気概がある。一方的なバッシングや中傷ではなく、対象者を落とす際には称賛するコメントも披露。
また、高いツッコミのスキルを持つ粗品は、ネタにされている有名人のファンもギリギリ笑えるポイントを作るのがうまい。
時事ネタを批評するだけでなく、誰もが笑えるポイントを探りながらの動画スタイルは、まさに粗品にしかできない神業。単なる雑談で終わらない動画だからこそ、これだけ多くの人を熱狂させているのだろう。
◆有吉弘行との共通点
芸能人のYouTube動画の中でも、異質な企画として存在する「1人賛否」。これまでの動画を見てみると、この芸当は、有吉弘行に通じるものがあると感じる。
有吉も、現在ではおとなしくなったが、再ブレイクのキッカケはテレビ番組で披露した意地の悪いあだ名や毒舌だった。
有吉と粗品が似ていると感じるのは、バランス感覚の良さ。
有吉は、かつて『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)の企画などで、グラビアアイドルや勘違い芸能人に毒舌を連発し、的を射た指摘が好評となり、その後は番組出演が増え一流MCにまで成り上がった。
有吉の毒舌は視聴者も納得できるもので、さらに標的にするタレントを追い込まないギリギリのラインで止める絶妙さを見せてきた。
だからこそ今の大成功があるのだろう。
粗品にもその素質があると筆者は考える。例えば、宮迫との一件では粗品はさんざん弄り倒しながらも、プロレスになるように宮迫が反論できる余白を提供していた。
結果として、宮迫が途中棄権したが、このプロレスをおもしろくできていれば、宮迫が今頃はテレビに復帰していたかもしれない。
また、粗品はたびたび「1人賛否」でKing & Princeをネタにしてファンから嫌われているが、最終的には『新しいカギ』(フジテレビ系)で永瀬廉と共演して伏線回収したこともある。
これも、「1人賛否」がただバカにするだけの企画ではなく、バランス良く(キンプリファンは認めないかもしれないが……)動画を作成しているからできる芸当だ。
有吉と粗品は、ギリギリ踏み込んではいけないポイントの見極めがうまい。タレントのことを良く見ている証拠で、だから有吉はどんな番組でもMCとして活躍できる。
◆粗品は、第二の有吉弘行になれる唯一無二の存在
粗品にも有吉と同じ才能があり、もしかしたら「第二の有吉弘行」として、数年後にさまざまな番組でMCを務めている可能性もある。
ちなみに、有吉は自身のXで粗品をいじることもあり、『有吉木曜バラエティ』(テレビ東京系)では、MCと進行という形で共演もしている。他事務所でありながら、有吉が粗品をかわいがっている様子も見え、ますます「第二の有吉弘行」になる気がしてくる。
もしかしたら粗品が全局でMCを務める、なんて未来がすぐ訪れるかもしれない。
<文/ゆるま小林>