北朝鮮による拉致問題の解決を訴える「国民の集い」であいさつする林芳正官房長官=24日午後、金沢市 政府は24日、北朝鮮による日本人拉致問題の解決を訴える「国民の集い」を金沢市で開いた。石川県などとの共催で、拉致問題を担当する林芳正官房長官も出席。関係者の高齢化が進む「時間的制約」に触れ、「地域や世代を問わず国民に強い意志を示してもらうことが大変重要だ」と呼び掛けた。
被害者家族のうち親世代は、有本恵子さんの父明弘さんが今月死去し、横田めぐみさんの母早紀江さん(89)だけとなった。めぐみさんの弟で拉致被害者家族連絡会代表の拓也さんは、明弘さんについて「どれだけ悔しい思いで恵子さんに会えずに他界したかと思うと本当にやりきれない」と語った。
この後、拓也さんは記者団に「『時間がない』と何年も前から繰り返し言っている。(母は)きょうは元気だがあすは元気でなくなるかもしれない」と述べ、被害者の早期帰国を求めた。

拉致被害者の有本恵子さんの写真を手に、北朝鮮による拉致問題の解決を訴える拉致被害者家族連絡会代表の横田拓也さん=24日午後、金沢市