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ベテラン実力派から新人の女優までが憧れる、連続テレビ小説のヒロイン役。注目を集めるがゆえに視聴者の目も厳しくなるが、NHKの“朝の顔”としてこれまで数多くの女優を輩出してきた。あなたなら、誰が演じるヒロインで『朝ドラ』を見たいですか?
NHKの連続テレビ小説、いわゆる『朝ドラ』のヒロインは、良くも悪くも注目が集まる。“新人女優の登竜門”ともいわれ、ヒロインたちがドラマで演じる役とともに女優として成長する姿を、視聴者が半年という期間をかけて見守るという楽しみもある。
そして先日、’26年度前期放送の『風、薫る』のヒロインを見上愛が演じることが発表された。NHKのドラマ取材を担当していた記者は、
「彼女はオーディションではなく、制作サイドからの指名で、俗にいう“一本釣り”で選ばれました。
大河ドラマ『光る君へ』で藤原彰子を演じていたので、“あの女優か”と思う人も多いのでは」
と彼女について話す。朝ドラファンが望むヒロインとは、すでに輝いている宝石なのか、これから磨かれ光を放つ原石なのか?
週刊女性は全国の30代〜60代の男女、500人に『あなたが朝ドラヒロインで見たい女優』アンケートを実施。どんな女優が選ばれるのか、あなたの予想は、誰ですか?
坂道グループ出身のアイドル2人がランクイン
10位にランクインしたのは、13票を獲得した山下美月(25)。
「目が印象的で可愛い。アイドルだけど彼女の演技が好き」(神奈川県・男性・50歳)
元乃木坂46で、バリバリのアイドルだった山下。
「福原遥がヒロインを務めた『舞いあがれ!』では、ヒロインの親友・久留美を演じました。
乃木坂46に所属していたときも多くのドラマに出演。昨年、乃木坂46を卒業して、女優の仕事に本腰を入れるのではないでしょうか」(前出の記者、以下同)
9位には、14票で原菜乃華(21)と長濱ねる(26)が名前を連ねた。原について、
「きれいな顔で人を惹きつけ、華があると思う」(神奈川県・女性・51歳)
長濱には、
「可愛くて、たくさんの人の中にいても目立つ存在。オーラのある人に見える」(東京都・男性・48歳)
という声が届いた。
「原は大河ドラマ『どうする家康』で豊臣秀頼の正室・千姫を演じていました。
ほかにも映画『ミステリと言う勿れ』では、第47回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。ルックスでも人気がありますが、実力を兼ね備えた女優です。
長濱は山下と同じ『舞いあがれ!』で、朝ドラ初出演を果たしています。本人も“朝ドラにいつか出演したかった”と、コメントしていたので、ヒロインを演じたい気持ちが強いのでは」
16票を集めて8位に入ったのは門脇麦(32)。
「演技力はもちろん、どんな役でも彼女の色を出しつつ完璧に演じそう」(神奈川県・女性・59歳)
数多くのドラマ、映画に出演、主演している実力派女優。
「土屋太鳳が演じたヒロインの親友・寺岡みのり役で’15年『まれ』に出演。ほかにも大河ドラマ『八重の桜』『麒麟がくる』に出演しています。
NHKからの信頼も厚いので、初々しさというより実力を買われてヒロインに、というパターンがあるかも」
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10代で唯一、トップ10入りした注目株
7位は17票を獲得した當真あみ(18)。
「印象的な顔立ちで、これまでの出演作を見ても存在感があった」(宮城県・女性・44歳)
15歳のとき『妻、小学生になる。』(TBS系)でドラマデビュー。’24年にはNHK特集ドラマ『ケの日のケケケ』で、ドラマ初主演を果たした逸材。
「カルピスウォーターのCMに15歳で抜擢(ばってき)されて“あの子は誰?”と話題にもなりました。
大河ドラマ『どうする家康』では家康の長女・亀姫役を好演。10代の女優の中でも、注目の存在です」
6位にランキングされたのは20票で堀田真由(26)。
「自然な感じの演技がすごく魅力。どんな役でも演じられそう」(愛知県・男性・59歳)
実は’17年『わろてんか』のヒロイン最終オーディションまでいった経験があるのだが……。
「仕事の都合で辞退したことをインタビューで明かしていました。
しかしその後、ヒロインの妹・りん役でのオファーがNHKから来たそうです。
ほかにも『エール』に出演し、朝ドラには2作品、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にも出演するなど、NHKも大切に育てている女優に見えるので、ヒロイン抜擢も十分にあり得ると思います」
姉妹で朝ドラ主演の“快挙”なるか?
5位には『カムカムエヴリバディ』でヒロインを演じた上白石萌音の妹、上白石萌歌(24)が23票を獲得。
「見た目は派手じゃないけど、落ち着いている感じがいい」(千葉県・女性・49歳)
「素朴な雰囲気と朝ドラヒロインに向いている顔つき」(福島県・男性・31歳)
’21年度後期の『カムカム〜』からバトンを引き継ぐ形で’22年度前期の『ちむどんどん』に出演した萌歌。
「大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』で大河初出演。『ちむどんどん』では黒島結菜演じるヒロインの妹という重要な役を演じています。
もし萌歌がヒロインに抜擢されたら、姉妹でヒロインを演じたのは’08年『だんだん』の三倉茉奈・佳奈がいますが、別の作品でそれぞれがヒロインというのは初めてではないでしょうか」
44票を集めての4位は、川口春奈(30)。
「確かな演技力とサバサバした感じに見える性格がいい」(千葉県・男性・66歳)
「目力があり、美人だが力強く見えるところが魅力」(東京都・女性・53歳)
川口といえば、大河ドラマ『麒麟がくる』の帰蝶(きちょう)役の代役起用が思い出される。
「もともと演技力には定評があったのですが、出演ドラマでは視聴率がイマイチでした。そんなタイミングでオファーが来たのが帰蝶役。あの役で一気に彼女の評判が上がりました。今度は代役ではなくヒロインに選ばれるかも(笑)」
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トップ3の一角、3位には51票で吉岡里帆(32)。
「清純な感じで朝が似合いそう」(東京都・男性・53歳)
「清楚で優しい雰囲気があるけど、自分の思いを貫くような役を演じていたのも素敵だった」(神奈川県・女性・36歳)
’15年の『あさが来た』で波瑠が演じるヒロインに憧れる女学生を演じ、朝ドラ出演を果たしている。
「吉岡は『あさが来た』のヒロインオーディションを受けていましたが、落選しています。しかし放送開始後に女学生・田村宜(のぶ)役のオファーが来たそうです。
朝ドラヒロインのアンケートでは、毎回上位に入るほど視聴者からの期待が高い女優ですね」
ヒロインオーディションの落選経験をバネに
2位には57票で広瀬アリス(30)がランクイン。
「演技、雰囲気が朗らかで癒される」(愛知県・男性・64歳)
「妹のすずちゃんが『なつぞら』でヒロインをやったし、今度はお姉ちゃんもやってほしい」(神奈川県・女性・54歳)
’17年『わろてんか』では漫才師・リリコを熱演。しかし彼女も、ヒロインオーディションで落ちてからのオファーだったという。
「リリコ役で芸能界での自分の流れが変わらなかったら、引退しようと思っていたとインタビューで明かしています。
それだけ本人の思いのこもった朝ドラなので、上白石姉妹同様、姉妹で別作品のヒロインを演じてもらいたいですね」
そして124票を獲得し、ダントツの1位は芦田愛菜(20)。
「瑞々しい感じと清楚さを兼ね備えていて、センスもあるし可愛いし。どうして今までヒロインになっていないのかが不思議」(長崎県・女性・43歳)
「好感度が高いし、知的で演技力もある。朝ドラヒロインにはぴったり」(埼玉県・女性・55歳)
子役からずっと活躍しているが、意外なことに朝ドラには’18年『まんぷく』にナレーションで参加しているだけ──。
「まさに国民的子役だった彼女ですが、子役での朝ドラ出演もありません。
ただ、大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』『麒麟がくる』に出演しています。キャリアが長いとはいえ、まだ20歳なので、満を持してのヒロインというのもあるのでは」
現在放送中の『おむすび』では橋本環奈がヒロインだが、ストーリーについて賛否が分かれ、視聴率でも苦戦している。
人気の女優をヒロインにしたからといって、受け入れられるわけではない『朝ドラ』。女優たちが憧れる朝ドラヒロイン、その肩書を手に入れられるのは、ほんのひと握り──。
取材・文/蒔田 稔
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