国会議事堂=東京都千代田区(AFP時事) 自民、公明両党と日本維新の会は25日、2025年度予算案の修正を巡り、維新の看板政策である高校授業料無償化などで正式に合意した。少数与党の自公は国民民主党や立憲民主党との個別協議にもめどを付け、最終的な修正規模を早期に確定させたい意向だが、新たな財源を確保するために赤字国債を追加発行する事態は回避したい構え。年度内の予算成立に向け事実上の期限が迫る中、与野党の神経戦が続きそうだ。
25年度予算案では、与野党協議を通じて修正する「国会修正」が行われ、政府が予算案を出し直す「政府修正」は見送られる方向だ。ただ、与党は憲法の規定で予算案が年度内に自然成立する来月2日までの衆院通過を断念。さらに大幅にずれ込めば、4月以降の予算成立までのつなぎとして最小限の費用を計上する暫定予算が現実味を帯びる。
政府・与党は、赤字国債の追加発行回避を「譲れない一線」(政府関係者)と位置付ける。仮に国債を増発すれば財政規律に懸念が生じる上、予算案の政府修正も必要となって時間がかかるためだ。自公が維新と合意した高校無償化などで、25年度予算案に影響する費用は1000億円程度。ムダ削減を訴える立憲民主の主張も反映し、同年度予算案の増額には予備費や基金から一時的な財源を捻出して対応し、26年度以降は恒久財源を検討する考えだ。
また、国民民主との協議では、所得税が課される年収の最低ラインである「103万円の壁」の見直しを巡り、年収850万円を上限に4段階で控除額を上乗せする公明党案での決着を目指す。実現した場合の所得税の減収規模は6200億円程度で、赤字国債を出さずに対応できるとみられるが、自公と国民民主が合意できるかは不透明だ。