2月27日からパシフィコ横浜で開催中の「CP+2025」。キヤノンブースでは、同社が20日に発表したコンパクトデジタルカメラ「PowerShot V1」を体験できるハンズオンコーナーが設けられていた。Vlogなど動画を強く意識した「PowerShot Vシリーズ」の最新モデルで、ソニー「VLOGCAM」に直接対抗するモデルになる。
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PowerShot V1の特徴は、1.4インチの大型センサーと、35mm換算16〜50mmの超広角ズームレンズをコンパクトボディに詰め込んでいることだ。センサーは、高級コンパクトズーム機の定番である1インチの2倍広く、アスペクト比が違うので厳密な比較はできないものの、マイクロフォーサーズのセンサーサイズに近しいと言われている。
キヤノンの大型センサーコンパクトは今回が初ではなく、2012年には1.5インチの「PowerShot G1 X」が登場している。ただ、17年の「G1 X Mark III」以降後継機は出ておらず、V1は久しぶりの大型センサーモデルとなる。初代G1 Xユーザーかつ、1インチセンサーのソニーVLOGCAM「ZV-1」ユーザーの筆者から見て、V1のフットプリントは、センサーサイズを考慮すると十分コンパクトに感じた。
ただし、この欲張りスペックのせいか、動画撮影時の熱停止を避けるために空冷ファンを搭載している。その影響からか、かなり厚みのある「ずんぐり」なボディに仕上がっている。重量も約426gと、コンパクトカメラとしてはヘビー級なのだが、持つと不思議と軽く感じられた。パーツの重量配分やグリップ形状など要因は複数考えられるが、存在感のあるボディゆえに相対的に軽く感じられたのだろう。
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肝心のファンの動作音だが、ハンズオン会場の目の前で屈強な外国人バスケットボーラーが激しいプレーを繰り広げていた(EOS Rシリーズのハンズオン向けに、AFの食いつきを試すための演出)こともあり、ハッキリとは聞こえなかった。ファンは切/入/オートがあり、オートを選ぶと「ファンの音が録音されることがあります」との注意書きが表示される。キヤノンの広報担当者いわく、静かな会議室などではファンの音が入る可能性があるという。
ファンはオフにもできる。例えば、自動電源オフ温度を「高」に設定し、室温23度の環境下でファンを切った場合、4K/30pで55分、4K/60pでは40分の撮影が可能としている。
16〜50mmをカバーするレンズはVlog用途を考えると使いやすい画角だ。電子式手ブレ補正をオンにすると、仕組み上若干クロップされてしまうが、16mmスタートのおかげで依然十分な広さを確保できる。実際にバリアングル液晶を手前に向けて自撮りしても、無理に手を伸ばさずに2人をフレームに収めることができた。
価格は、キヤノン公式オンラインショッピングで14万8500円。コンパクトカメラとして見ると高額だが、1.4インチの大型センサーから来る余裕のある画質、10bitのCanon Log 3撮影、熱停止を回避するための空冷ファンの他、EOS Rシリーズと同じ「マルチアクセサリーシュー」を搭載することで、ストロボのコントロール、声のデジタル入力、高速データ通信、電源供給などの機能拡張も可能だ。
5分ほどの超短時間ハンズオンだったが、動画用途特化に近いモデルではあるものの、スチル機としても、EOS Rシリーズのサブカメラとしても使えるポテンシャルを秘めたコンパクトカメラだと感じた。
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