半自動オフサイドが機能せず? 異例のVAR確認が8分で最長記録を更新

0

2025年03月02日 12:15  サッカーキング

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

サッカーキング

VARの判定に注目が集まったボーンマスとウルヴァーハンプトンの一戦 [写真]=Getty Images
 イングランドサッカー界で最長となる約8分間のVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)確認が行われた。3月1日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。

 FAカップ5回戦が3月1日に行われ、ボーンマスとウルヴァーハンプトンが対戦。1−1で90分が終わると、その後のPK戦を5−4で制したボーンマスがクラブ史上3度目となる準々決勝進出を決めた。

 注目が集まっているのは1−0でボーンマスがリードして迎えた35分、コーナーキックからミロシュ・ケルケズがゴールネットを揺らしてリードを広げたかに思われた。しかし、ボールがケルケズの手に当たっていた可能性やゴールに入る前に味方のディーン・ハイセンの肩に当たって入ったため、オフサイドの確認も行われたことから、異例となる約8分間試合が中断する事態となった。

 これまでのVARチェックの最長時間は2024年3月に行われたプレミアリーグのウェストハムとアストン・ヴィラ戦での5分37秒と見られており、今回の事象が最長記録になったようだ。

 なお、FAカップ5回戦では大会史上初の取り組みとして、プレミアリーグに所属するチームのスタジアムで開催される7試合で半自動オフサイドテクノロジー(SAOT)が試験導入されているが、試合後、FA(イングランドサッカー協会)は今回の事象ではSAOTがうまく機能せず、手動で線を引いて確認したという声明を以下のように発表した。

「ほとんどのオフサイド判定はより迅速になるが、必要に応じてVARは線を引くオプションを持っている。このプロセスは複数の選手がシステムのカメラからボールや他の選手を遮る『エッジケース』で必要になる可能性がある。これにより、VARがオフサイドに近いチェックを行う特定のシナリオでこれまでに見られたようなチェック時間の長さが時折発生することがある」

「複数のオフサイドチェックや攻撃側のファウルやハンドなどそのほかの判定を考慮する必要がある場合には、VARチェックの長さがそのままになることもある」

 一方、試合中に判定が下される前に主審から両指揮官に対してなぜ判定に時間がかかっているのか説明があったものの、観客からはVARに対する不満のチャントが叫ばれる事態となったなか、ボーンマスのアンドニ・イラオラ監督は試合後、「今日は審判にとてもとてもがっかりした。今日だけではなく、ここ数週間だけどね。なぜなら、私たちにはいつも何かが起きるからだ」と不満を口にした。

「今日は自動オフサイドが機能しなかったようだ。彼らは(今季)最初のインターナショナルウィークの後か、2回目の後に導入すると言っていた。しかし、何かがうまくいかなかったようで、シーズン後半での導入になった。でも、彼らは半自動オフサイドが機能しなかったから手動でチェックをした。とても長い待ち時間だったよ」

 また、ウルヴァーハンプトンのヴィトール・ペレイラ監督は「機械に何らかの問題があった。何が起こったのかわからなかったが、最終的には理解している。以前はゴールを祝福できたが、今はゴールを祝うことが難しい。ゴールかどうかを理解するために待たなければならないからね」とVARの問題点を語りながら、同機能の必要性にも言及した。

「以前はオフサイドのゴールが多く、正しい判定なしでゴールが決まることが多かった。だから、今のサッカーではより公平になっていると思うよ」

 なお、FAはFAカップ5回戦での導入を決定した際に「FAカップでの実戦運用が成功した時には、プレミアリーグは今シーズンの後半戦にこのシステムを導入する予定である」ことを明らかにしていたが、果たしてこの事象は今後の判断にどのような影響を与えるのだろうか。


【ハイライト動画】ボーンマスvsウルヴァーハンプトン


    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定