<アカデミー賞>『ノー・アザー・ランド』が長編ドキュメンタリー映画賞に輝く 伊藤詩織監督の『Black Box Diaries』は受賞ならず

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2025年03月03日 13:40  クランクイン!

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映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』場面写真 (C)2024 ANTIPODE FILMS. YABAYAY MEDIA
 日本時間3月3日、第97回アカデミー賞授賞式が米ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催され、映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』が長編ドキュメンタリー映画賞に輝いた。日本よりノミネートされた映像ジャーナリストの伊藤詩織による初監督映画『Black Box Diaries(原題)』は惜しくも受賞を逃した。

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 映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』は、スラエル軍による破壊行為と占領が今まさに進行している、ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区マサーフェル・ヤッタを舞台にしたドキュメンタリー。この現状をカメラに収め世界に発信することで占領を終結させ故郷の村を守ろうとするパレスチナ人青年バーセル・アドラーと、彼に協力しようとその地にやってきたイスラエル人青年ユヴァル・アブラハームの2人による決死の活動を、2023年10月までの4年間にわたり記録している。同時に、バーセルとユヴァルが、パレスチナ人とイスラエル人という立場を越えて対話を重ね理解し合うことで生まれる奇跡的な友情と、ただ故郷の自由を願い強大な力に立ち向かい続ける人々の姿も映し出す。

 監督は、バーセルとユヴァルを含むパレスチナとイスラエルの若き映像作家兼活動家の4人が共同で務めた。

 今回受賞を逃した伊藤監督の『Black Box Diaries(原題)』は、自身が被害にあった性的暴行への勇気ある調査に乗り出していくその姿を自ら記録した、これまでにない形のドキュメンタリー映画。

 2017年、伊藤詩織が元テレビ局員の記者からの暴行被害を訴えた記者会見の直後に遡り、『新聞記者』(2019)や『月』(2023)を手掛けたスターサンズが併走し、イギリス・アメリカとの共同製作で、実に6年もの製作期間をかけて作られた。第41回サンダンス映画祭国際長編ドキュメンタリーコンペティション部門に正式出品されたほか、世界各地の映画祭で上映。第78回英国アカデミー賞ドキュメンタリー賞やサウス・バイ・サウスウエスト映画祭観客賞にもノミネートされている。

<第97回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞:候補一覧(★が受賞作品)>
『Black Box Diaries(原題)』
★『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』
『Porcelain War(原題)』
『Soundtrack to a Coup d'Etat(原題)』
『SUGARCANE/シュガーケイン』
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