年間入館者、初の200万人超=原爆資料館、外国人3割―ノーベル賞効果も・広島

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2025年03月03日 14:02  時事通信社

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時事通信社

多くの人が訪れる平和記念資料館(原爆資料館)の入り口=2月22日、広島市中区
 広島市中区の平和記念資料館(原爆資料館)の今年度の入館者数が、2月15日時点で200万人を突破した。年間入館者が200万人を超えるのは初めて。外国人の割合は3割に上り、昨年12月の日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞なども影響したとみられる。今夏には被爆から80年を迎え、さらなる増加が見込まれる中、市は混雑緩和に向けた対策を急ぐ。

 資料館の記録によると、入館者数は開館した1955年度は約11万5000人だったのが、71年度に100万人を突破。2023年度は先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)が開催されたこともあり、約198万人まで増えた。今月中には累計入館者が8000万人を超える見通しだ。

 2月22日、メキシコから資料館を訪れたサイバーセキュリティーコンサルタントのデビッド・ペレスさん(32)は「当時起きたことに興味があった。自分が平和な時代に生きていることがありがたい。このようなことが二度と起こらないでほしい」と語った。東京都から来た会社役員内倉修さん(62)は、日本被団協のノーベル賞受賞をきっかけに「見ておかないといけないと思った」と話した。

 市は入館者増加の背景に、サミット効果のほか、円安によるインバウンド(訪日外国人)増加や、ウクライナ紛争などによる平和への危機感の高まりがあると分析。石田芳文館長は「多くの人に原爆の被害について理解を深めてもらえたことは、核兵器廃絶に向けた国際世論の醸成につながる」と期待を示す。

 課題となるのは混雑対策だ。入館者が急増した23年には、館の前にたびたび長蛇の列が発生。市は昨年から、チケットのウェブ販売や自動券売機を導入して入館待ちの列は解消したものの、繁忙期には館内が混雑し、時間をかけて展示物を見ることができないなどの問題がある。担当者は「入館者対策は喫緊の課題。良いアイデアがあればどんどんやっていく」と話した。 

このニュースに関するつぶやき

  • 小学校の修学旅行で行ったけど、二度と行きたくない。平和教育とセットでトラウマになってる。
    • イイネ!24
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