ジョシュ・クックがホンダ陣営復帰でNAPAレーシングUKは体制維持。新生TOCAジュニアは再始動へ／BTCC

活動休止の1年間を経て、今季2025年よりBTCCイギリス・ツーリングカー選手権に復帰参戦することを表明したワン・モータースポーツ

　活動休止の1年間を経て、今季2025年よりBTCCイギリス・ツーリングカー選手権に復帰参戦することを表明したホンダ系チーム、ワン・モータースポーツが、盟友ジョシュ・クックの再加入契約をアナウンス。現在33歳のクックは、これっでトヨタ・カローラGRスポーツを経てふたたびホンダ・シビック・タイプRとも再会することとなった。
　また、フォード陣営の強豪として昨季もタイトル戦線に加わったNAPAレーシングUKは、チャンピオン奪還を期すアシュリー・サットンやダン・カミッシュに加え、ダニエル・ロウボトムとサム・オズボーンの残留を発表して4台体制のラインアップを堅持。
　さらにシリーズのステップアップ・ラダーとして機能することが期待される新生TOCAジュニア・チャンピオンシップは、2025年初年度シーズンの延期を発表し、2026年の立ち上げに焦点を移すことを決断している。
　ブラックリーを拠点とし、2022年と2023年に連続してインディペンデント部門のダブルタイトルを獲得したワン・モータースポーツは、来たる2025年シーズンに向け2台のホンダ製NGTC規定ツーリングカーを準備。シリーズ復帰を決めるとともに、そのドライバーは「今後数週間で発表する予定」だと明かしていた。
　この12カ月間でNGTC規定ホンダ・シビック・タイプRの「継続的な開発作業を続けてきた」というチームは、改めてキャリアの大部分を同チームで過ごしてきたクックを再招聘。クックとしてもキャリア通算20勝のうち16回と、さらに17回の表彰台を獲得しているチームに再合流し、夢の続きを追うこととなった。
「ワン・モータースポーツに復帰できてとてもうれしい。ここはBTCCキャリアの大部分を過ごした場所で、慣れ親しんだ顔ぶれや環境、そしてよく知っているクルマに戻ってくるのは本当にワクワクするよ」と、昨季はスピードワークス・モータースポーツ（SWM）製のカローラで2勝を挙げ、総合ランキング6位を記録したクック。
「シビック・タイプRは昨年のグリッドにはいなかったが、チームは過去12カ月間、いくつかの重要な分野の改善に取り組んできたんだ。行われた規則の変更（共通ハイブリッド機構の廃止など）と併せて、シーズンを通じて素晴らしい結果が出ると期待できるね」
　昨年はLKQユーロカーパーツ・ウィズ・シネティックとしてのエントリーで、総合でのタイトルを争ったクックだが、今季はかつて自身が連覇を達成したインディペンデント・ドライバーズ・チャンピオン獲得以上の栄冠に挑む。
「2025年シーズンの遂行が当面の焦点だが、チームへの復帰は2026年以降の基礎を築くという長期的な視点に基づいている。つまり、僕はBTCCチャンピオンになりたいんだ」と続けたクック。
「シーズンに入るにあたり、肉体的にも精神的にも、これまでで最高の状態にあると感じている。何をすべきか分かっているし、素晴らしいチームが周りにある。すべての要素が揃っているし、今回の移籍が何か特別なことの始まりになると確信しているよ」
　一方、昨年末に心臓手術を受けていた36歳のロウボトムは、過去2年間でチームのチャンピオンシップ獲得に大きく貢献してきた手腕を認められ、さらに2年間の残留契約を更新。2023年に名門チーム・ダイナミクスからアライアンス・レーシング（旧モーターベース・パフォーマンス）に移籍し、それ以来フォード・フォーカスSTで1勝と6回の表彰台を獲得してきた。
「体調は万全で健康だし、この選手権に勝つ準備ができている」と続けたロウボトム。
「昨季はチームの努力に見合った結果が出なかったが、2025年に結果を出せるよう、僕たち全員が懸命に努力してきたことは明らかだ。ご存知のとおり、僕は冬の間に大きな心臓手術を受けた。手を差し伸べてサポートしてくれたファンの皆さんに感謝したい」
　同じく、ラインアップ最後のシートを埋めた31歳のオズボーンも、昨季30レース中22レースをポイント圏内でフィニッシュしたフォード・フォーカスSTで、自身5年目のシーズンを迎える。
「正直に言うと、昨シーズンを終わらせたくなかった。僕たちは物事が順調に進み、僕自身も少し調子が良かった」とオズボーン。
「最後の9レースで9回連続トップ10フィニッシュだったと思う。シーズン半ばにロリー（・ブッチャー）を僕のクルマのクルーに加え、トラック内外すべての分野で進歩を遂げた。僕らは今シーズンを力強くスタートし、これまでの努力をうまく活かすことを決意しているよ」
　そんな2025年BTCCシーズンのサポート枠に入る予定だった軽量FRワンメイクのジュニア選手権は、将来のチームやドライバーが計画を最終決定する時間が「充分でなかった」とし「2026年からシリーズを完全に自社で運営し、すべてのイベントですべてのクルマを管理および運営することを確認した」との声明を公開した。
「この大規模な再編により、完全なコスト管理や最大限のアクセス性、そして若いドライバーにとって真に公平な競争の場が確保される」
　このTOCAジュニア・チャンピオンシップでディレクターを務めるデビッド・ビークロフトは、改めて「デポジットは返金され、シリーズは2026年に競技者にとってより構造化された、費用対効果の高いソリューションを提供することにふたたび焦点を当てている」と説明した。
「新しいモデルは、ドライバーと家族に、このユニークなジュニア形式に取り組むための充分な準備時間を提供する。すべての新開発車両『シェブロンB1417』の集中運用によりチームコストがなくなり、BTCCサポートパッケージでの競技費用が大幅に削減される」
「この固定費構造により、財政的な予測不可能性を排除し、保護者とスポンサーにシーズン費用を明確に提示する。この新しいアプローチにより、TOCAジュニアは育成カテゴリーの新しい基準を設定し、機会均等を優先する費用対効果の高い才能重視のシリーズを作成することに取り組んでいくつもりだ」

[オートスポーツweb 2025年03月05日]

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