拉致問題について講演する蓮池薫さん=5日午後、静岡県島田市 北朝鮮の拉致被害者の蓮池薫さん(67)は5日、静岡県島田市で開かれた内外情勢調査会で講演した。「(拉致問題は)解決していない」とした上で、日本は米国と協調し、被害者と家族が会えるように北朝鮮に求める必要があると訴えた。
蓮池さんは8人の拉致被害者について「北朝鮮が決断すれば、あすあさってに帰って来られる」と強調。横田めぐみさんを母早紀江さん(89)に会わせるため、「もっと強く(解決の)期限を伝える。応じなかったときには覚悟があると政府は北朝鮮に伝えてほしい」と訴えた。
講演ではトランプ米大統領にも触れ、「米国のやることに日本はぴったりくっついて、そこに拉致問題を食い込ませる状況にしないと(米国が)勝手にやってしまう」と危機感を示した。
石破茂首相の主張する日朝連絡事務所の設置については「(拉致問題は)今、何も動いていない状況だ。検討して是か非かを決めてもいい」と述べた。