高額療養・裏金、続く与野党攻防=参院予算委、日米関係も論点に

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2025年03月06日 07:31  時事通信社

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参院予算委員会で質問する立憲民主党の田名部匡代参院幹事長=5日午前、国会内
 2025年度予算案を巡る論戦は参院に舞台を移した。政府・与党が年度内成立を期すのに対し、立憲民主党は高額療養費制度の見直し凍結や、自民党派閥の裏金事件などで、追及を続ける構えを示した。「米国第一」を掲げるトランプ米大統領の外交・安全保障政策も論点となり、与野党から今後の日米関係を憂慮する声が上がった。

 「いったん凍結し、立ち止まる時ではないか」。立民の田名部匡代参院幹事長は5日の参院予算委員会で、高額療養費制度の患者負担上限を引き上げる政府方針の再考を主張。石破茂首相は「(患者の)命のために制度はある」としつつも、制度維持を理由に拒み続けた。

 立民は衆院審議で一時、凍結しない限り予算案の採決を認めない姿勢を示した。今夏に参院選を控える中、参院審議でも「世論に訴えたい」(ベテラン)として争点化を図る方針だ。参考人として出席した患者団体代表者の面会要請に、首相が応じる考えを伝えると、田名部氏はすかさず「いつ、どこで会ってもらえるのか」と確約を迫った。

 田名部氏はまた、ガソリン税の暫定税率廃止を訴えた。国民民主党と合意したにもかかわらず、与党は実現に後ろ向きだと批判。「(減税が)何年後かは分からない、ということなのか」と挑発された首相が、思わず「適切な発言とは思わない」といら立つ場面もあった。

 裏金事件にも引き続き照準を合わせる。立民の野田国義氏は、政治資金パーティー収入の還流再開に関する旧安倍派の幹部協議に出席した4人の参考人招致を要求。首相は「国会の判断があれば必要な協力はしていくべきだ」と応じた。ただ、参院では与党が多数を占めており、野党にとって「見せ場」づくりのハードルは高い。

 一方、日本の防衛費を巡り、トランプ政権内で国内総生産(GDP)比3%以上への増額要求が出ていることに、与野党から懸念の声が相次いだ。

 立民の羽田次郎氏は「予算をどう捻出するかも想定していくのか」と先行きを不安視。自民の佐藤正久氏は「頻繁にトランプ氏とコミュニケーションを図らなければ悲惨なことが起きる」と述べ、電話会談などの必要性に言及したが、首相は「国会対応をしているので、そういう時間はない」とはぐらかし気味の答弁にとどまった。 

参院予算委員会で答弁する石破茂首相=5日午後、国会内
参院予算委員会で答弁する石破茂首相=5日午後、国会内

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  • 子ども家庭庁や男女共同参画がムダというネット民は多いが、国会でそれを言う議員は全然見当たらない。そりゃー何やるにも「財源は?」で話終わるわ。
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