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「1票の格差」が最大2・06倍だった2024年10月の衆院選は投票価値の平等を定めた憲法に反するとして、弁護士グループが選挙の無効を求めた訴訟の判決で、福岡高裁は7日、「合憲」と判断し、請求を棄却した。今回の判決で全国に起こされた計16件の高裁判決が出そろい、全て合憲となった。
裁判を起こした弁護士グループは各地の高裁判決を不服として上告しており、最高裁が今後、統一判断を示す。
衆院選の1票の格差を巡っては、最大格差が2倍を超えた09、12、14年選挙に対して最高裁で3回連続で「違憲状態」との判決が出た。
これを受け、国会が16年、人口比を選挙区の定数に反映しやすくする「アダムズ方式」を20年の国勢調査後に導入すると決めた。
ただ、21年選挙にはアダムズ方式の導入が間に合わず、最大格差が2・08倍で実施された。
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それでも、23年1月の最高裁判決は21年選挙について、アダムズ方式の導入が決まっていて、格差が是正されることが予定されていると指摘。国会の対応を合理的だとして合憲と判断した。
24年選挙は、実際にアダムズ方式が導入されたことにより、小選挙区の「10増10減」が実現し、前回よりも格差は縮小した状態で迎えた。
各地の高裁では、この点を評価して合憲判断が言い渡された。
一連の訴訟で最初の判決となった広島高裁岡山支部は2月6日、アダムズ方式を合理的な仕組みだと評価して合憲と結論付け、その後の全ての高裁が同様の判断をした。
弁護士グループ側は最高裁の統一判断に向けて、「アダムズ方式を導入しても、2倍以上の最大格差が生じており、これを許容することはおかしい」と主張していく方針だ。【巽賢司、志村一也】
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