Bunkamura Production 2025『泣くロミオと怒るジュリエット2025』に出演する柄本時生、桐山照史(WEST.) WEST.の桐山照史と俳優の柄本時生が出演する、舞台Bunkamura Production 2025『泣くロミオと怒るジュリエット2025』が、7月6日から28日まで東京・THEATER MILANO-Zaで、8月2日から11日まで大阪・森ノ宮ピロティホールで上演されることが決定した。演出・鄭義信によるオールメール&関西弁という異色の“ロミジュリ”に桐山と柄本が再び挑戦する。
【写真】キラキラ笑顔でポーズを取るWEST. 今作は『焼肉ドラゴン』や韓国映画『パラサイト 半地下の家族』の日本版舞台化での台本・演出など、数々の話題作を手掛け、映画『愛を乞うひと』の脚本などでも高い評価を得る劇作家・演出家の鄭氏が、2020年にBunkamuraシアターコクーン初進出作として書き下ろした作品。
シェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』を、物語の舞台を鄭氏自身のルーツである関西の戦後の港町に、セリフを全編関西弁に大胆に翻案。キャストは全員男性(オールメール)と異彩を放つ設定でありながら、2人の若者の恋物語と時代を生きるならず者たちの抗争劇に、人種間や国と国との差別・格差などの普遍的なテーマを巧みに織り込み、笑いと涙で観客の心をわしづかみにした。
しかし、新型コロナウイルスの影響により、全公演完走することなく断腸の思いで公演中止に。今回、2025年版として待望の再演が実現した。桐山が、愚連隊“モンタギュー”に所属しながらも更生し、屋台で働く真面目な青年ロミオを演じ、柄本が、愚連隊“キャピレット”のリーダーの妹で田舎から都会に出てきた、心根が真っ直ぐで優しいジュリエットを演じる。
吃音症に悩む奥手で泣き虫のロミオと、ダメ男に貢ぐ癖があり気が強いジュリエットという、初演でも多くの反響を呼んだ“世界一不器用なロミオとジュリエット”が5年の時を経て帰ってくる。
共演は、ロミオの父親代わりであり町で診療所を営むローレンスに渡辺いっけい、キャピレットのリーダーでジュリエットの兄・ティボルトとその内縁の妻・ソフィアは初演から引き続き高橋努と八嶋智人、ロミオの親友ベンヴォーリオに浅香航大、モンタギューの筆頭メンバー・マキューシオに泉澤祐希、キャピレットの若頭・ロベルトに和田正人、愚連隊に圧力をかける警部補に市川しんぺー、巡査に中山祐一朗、傷痍軍人でアコーディオン奏者に初演から続投の朴勝哲がそろう。
■キャストコメント
▼桐山照史(WEST.)
初演から5年。『泣くロミオと怒るジュリエット』の再演が決定しました!男子校の部活動のようだった稽古場、僕らと同じように毎日つくることに没頭してくださった作・演出の鄭 義信さん、そして最初は出オチと思ったのに舞台上では本気でかわいく見えた(笑)ジュリエット役の柄本時生さん。共演の皆さんやスタッフさんたちのことがお話をいただいた瞬間に頭の中を駆けめぐり、アツいものがこみ上げました。
と同時に、当時の精一杯取り組んだ自分の熱量や、当時いただいたご好評を越えられるのかと、不安に感じたのも事実です。ロミオはあらゆる感情を体現する役で、心身共に非常にハードでした。しかも、感染症禍のため東京公演後半で上演中断となり、現地でゲネプロまでしたのに大阪公演は全公演中止。だからこそ、あの時から待ち続けてくださるお客さまはもちろん、新たにご来場くださるお客さまにも絶対にこの作品を届けたいという使命感が不安を越えました。今持てるものすべてを注ぐ2025年版を、ぜひ目撃していただきたいと思っています。
▼柄本時生
シェイクスピア作品の中でも、最も有名なヒロインの一人『ロミジュリ』のジュリエット。元々オールメール上演だったと知ってはいても、自分が演じることには最初、正直言えば恐怖を感じました(笑)。
鄭義信さんは、稽古過程で存分に悩むことを楽しむ僕とは逆に、ズバリと正解を提示してグングン創作を進めていく演出家さん。そのスピードが飲み込めず最初は戸惑いましたが、初日のカーテンコールでのアツい拍手を聞き、作品がいかによくお客さまに伝わったかを実感できたんです。自分にとっての芝居づくりの幅がグッと広がった気がしました。
何よりロミオとして、僕のジュリエットを受け止め愛してくれた桐(山照史)クンとの出会いはサイコーにうれしい出来事。今回もお話をいただいてすぐ、お互いの気持ちを確かめ合いました(笑)。
最高の仲間と創る2025年版『泣くロミオと怒るジュリエット』。5年を経て増したオバ味を武器に、熟成したジュリエットをお届けしたいと思います!
■鄭義信
2020 年早春の『泣くロミオと怒るジュリエット』初演は、感染症禍に飲み込まれるように、東京公演終盤と大阪公演全てが中止になりました。以来、今作は僕の中でずっと生き続け、再起の機会をひそかにうかがっていたのです。
5 年を経て、我らが桐山ロミオと柄本ジュリエットはそのままに、強力な仲間も新たに迎えての再創作が実現!そのことを誰よりも喜んでいるのは、間違いなく僕自身です。
悲恋物として知られる『ロミオとジュリエット』。でも僕は、若い二人の道行の背景にある社会的な差別と分断の構造や、人の心をむしばむ理由なき憎悪の蔓延を作品の軸にしたいと考えました。
損得ばかりを追求し、弱い者を排除しようとする息苦しい空気が5 年前よりさらに世間に濃く広がる今。生まれ直す今作を一人でも多くのお客さまにご覧いただき、困難の中でも近しい人と想い合う気持ちをご自身の中に確かめていただければ幸いです。
もちろん僕の作品ですから、笑える場面もたくさんありますので安心して劇場へお運びください!