写真 10代の頃から雑誌『non-no』『sweet』『美人百花』など数々のファッション誌で活躍してきた野崎萌香さん(35歳)。デビュー15周年を迎えた彼女が、ファースト写真集『jealousy(ジェラシー)』を出版しました。
2024年4月にはエイベックス・クランへの所属を発表した野崎さん。今回は、多忙な20代の頃のお話や、30代を迎えて変化した美容事情、写真集の見どころについて聞きました。
◆「着替え過ぎです」医師に注意されたことも
――デビュー15周年ですがキャリアを振り返って、20代はどんな時期だったのでしょうか。
野崎萌香さん(以下、野崎):20代の頃は3か月に1回くらいしかお休みがなくて、朝から晩まで撮影でずっとバタバタしてました。心は元気だったんですけど、体がついていかなくなって、お肌がくすみがちな時期もありましたね。
モデルという仕事柄なのか、お肌の不調が首の後ろや背中など体のうしろ側に出ることが多かったです。一度、背中の湿疹がひどくなって病院に行ったら「着替え過ぎです」と言われました。確かに、そのとき「100日コーデ」の撮影をしていて、ものすごくたくさんのお洋服を着ていて。お医者さんに「着替えは1日3回までにしてください」と言われてしまいました(笑)。
――いつもツヤツヤな美肌の印象なのですが、多忙な中どうやって肌の調子を整えていたのですか?
野崎:自分の肌や体を綺麗に保つためにやっていたことを『肌が乾くクセを全部やめてみた。』(ワニブックス)にまとめたことがありました。その中にも書いたのですが、1つは化粧水を“1本使い”にすることです。撮影で1日何回もメイク直しをすると肌が弱ってしまうことがあるのですが、そういうときは、保湿クリームなどの余計な油分を塗らないように化粧水1本だけに絞って、とにかく保湿し続けるようにしてました。
また、今でもドライヤーをするときは必ずシートマスクをして、保湿しながらやっています。とにかく肌を乾かさないことを徹底してましたね。
◆30代に入って感じた変化
――30歳を越えて、美容に対する意識の変化はありましたか?
野崎:20代は若さで乗り切っていたところがあったのですが、20代後半で突発性難聴になってしまって、「自分の健康管理を第一に考えて生きよう」と思うようになりました。私は心がいつも元気なので多少のことは「乗り切っちゃえ!」と思ってしまうのですが、体は悲鳴を上げていたんだなと。「少しでも異変があったら休もう」と思えるようになりました。
そんなときにコロナ禍になって、忙しい日々に変化が起きたことで、正直ホッとしたところもありました。自分の人生に向き合うことができた期間だったと思います。
――コロナ禍でモデル活動を休止していた時期は、どんなふうに過ごしていたのですか?
野崎:オリジナルジュエリーブランドを立ち上げて、社長業をやっていました。きっかけは、長年飼っていた猫が亡くなってしまったことでした。海外に、お骨をダイヤモンドにできる技術があることを知って、ジュエリーについて調べるようになったんです。
その中で「ラボグロウンダイヤモンド(ラボで人工的に生成されたダイヤモンド)」の存在を知りました。ラボグロウンダイヤは天然のダイヤモンドとまったく同じ成分なのに、3分の1のコストで製造することができます。しかも天然のダイヤモンドと違って、採掘による環境への負担や、児童労働、紛争の資金源になるといった問題とも無縁で、人や地球に優しいんです。
世界で注目されているラボグロウンダイヤを日本でもっと広めていくために、フランス語で「考える」という意味の「Pensées(パンセ)」というオリジナルジュエリーブランドを立ち上げました。
――新たな挑戦をしながらも、モデル活動を再開したのはなぜだったのでしょうか。
野崎:長年お友達としてお付き合いのあった今のマネージャーさんから、「萌香はもう一回モデルをやったほうがいいよ」と声をかけてもらったんです。初めての写真集を作ることを目標にモデルに復帰しようと決めました。
◆好きなお尻を見つけてほしい
――自身初の写真集ということで、特別な思いがあるのでしょうか。
野崎:今までは雑誌のコンセプトやテーマの中で表現することが多かったんです。でも今回は自由に表現できるからこそ、「自分は何を表現できるのかな」ということが課題になりました。最初はすごく緊張したけど、制限が何もない中で自分らしさを追求することができたかなと思います。
撮影したベトナムのフーコック島はヨーロッパのような街並みや、豊かな自然が共存するところなので、いろいろな表情を撮ってもらうことができました。ここにいられることの楽しさや、人を驚かせたいという気持ち、それに結構ひょうきんなところなど、私らしさが思い切り出た写真集になっていると思います。
――野崎さん的に見どころはどこですか?
野崎:本当に全部の写真を隈なく凝視してほしいのですが、ヒップのエクササイズをすごく頑張ったのでお尻が映っている写真が好きですね。皆さんのお気に入りのお尻を見つけてほしいです(笑)。
実は撮影前にコロナ禍で10kgほど太ってしまったので、半年間かけてダイエットをしたんです。自分の中の理想の姿を目指して頑張って撮影した写真集なので、ぜひ見ていただきたいですね。
<取材・文/都田ミツコ 撮影/市村円香>
【都田ミツコ】
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。