リニューアル後の領土・主権展示館イメージ画像(内閣官房 領土・主権対策企画調整室提供) 政府は、領土問題に関する日本の立場を内外に発信する「領土・主権展示館」(東京都千代田区)を、4月中旬にリニューアルオープンする。北方領土や沖縄県・尖閣諸島に関する展示を、最新の映像技術を駆使した「体験型」に刷新。関心低下が指摘される若年層の取り込みを狙う。
展示館は2018年に開館。日本固有の領土への理解を促すため、歴史や自然環境などをパネルで発信してきた。来館者は年間1万人程度。領土問題に関心のある中高年層が中心で、若年層へのアプローチが課題となっている。
新設する「イマーシブ・シアター」は、13台のプロジェクターを用いて床・壁・天井の3面に映像を投影。来館者は島の上空を飛び、海中に潜るような感覚を体験できる。「ヒストリー・ウォール」は、領土の歴史に関するアニメーション映像を大画面に上映。政府関係者は「若い方に興味を持ってほしい」と期待する。
今夏以降には展示館のフロアを拡張する。3面のスクリーンシアターを設け、国境離島や海洋について解説するワークショップを計画。学校行事や探求学習のニーズに対応する。史料や書籍を閲覧できるライブラリー機能など調査研究支援体制も整備する。