※画像はイメージです男女の結婚率が低下してはいるものの、婚活市場は今なお賑わっている。その影響でマッチングアプリが人気を集めているが、より健全な出会いを求めて結婚相談所を利用する人も数多くいる。
しかし、結婚相談所が主催しているからといって問題が起きないとは限らない。
今回は相談所が実施した合コンイベントで、とある婚活女性が味わった最低最悪な出来事を紹介していく。
◆安心感のある結婚相談所主催の合コンは年齢層高め
会社の同僚や友人がほとんど結婚して焦っていた事務OLの丸岡洋子さん(仮名、36歳)は結婚相談所への入会を検討していた。
しかし、結婚相談所の入会金や月会費を合わせるとおよそ20万円かかることもあり、二の足を踏んでいた。そんな矢先、同僚から「まずは相談所主催の合コンパーティーに行ってみては?」と提案されたそうだ。
「参加費3500円で済むし、結婚相談所が運営しているのであれば、ヤリモクや遊び半分で来る男性も少ないだろうと思い、東京駅周辺で開催されるパーティーの参加を決めました。食事付きの飲み会であれば気軽に会話できるかもと期待も大きかったです」
パーティー当日、会場となる東京駅・八重洲口にあるイタリアン居酒屋に到着した丸岡さん。普段は着ない高級ブランドのドレスを久々に着用し、メイクもバッチリ決め込んで準備は万端。店内に入ると男女10:10で対面の席が用意。
いわゆる合コン形式で、食事はコース、ドリンクは飲み放題の2時間制。途中、運営の指示で席替えを行なうというシステムだった。
年齢層はというと、女性は30代中盤から40代序盤、男性は40代でマジメそうな外見の人が中心。騒がしそうな20代男性がいないと分かり、「じっくり真剣な会話をできそう」と丸岡さんは俄然やる気になっていたそうだ。
「以前街コンに参加したときの格安居酒屋とは違って料理もちゃんとしていたし、男性もスマートで大人っぽい印象の方々が多くて、参加して良かったと思いました。でもまさかあんなことになるとは……」
◆沢村一樹似の社長とワイン話で意気投合
合コンパーティーの序盤は近くの席同士で職業や出身地、趣味の話といった自己紹介でアイドリングトークがスタート。
丸岡さんは対面に座る沢村一樹似の男性・太田裕也さん(仮名、43歳)と意気投合。お互いにワインを飲むことが好きということで、好きな銘柄やワインに合うアテの話題になって二人だけで会話をするように。
太田さんは都内で人材関連企業の社長をしているそうで、オーダーメイドのスーツを着用。お金には不自由していなさそうだった。
丸岡さんも「この人といい感じになれたら……」と思い始めていたという。その間も太田さんは酒豪の丸岡さんに合わせるように赤ワインを何度もお代わり。徐々に目が座り始めていたそうだ。
「そのときは、そこまでお酒が強くないのに私に合わせてくれていると思い、むしろ好印象でした。唯一気になっていたのは『最近行ったお気に入りのお店はありますか?』と聞いてもスルーされ、私の行きつけを教えてもピンと来ていなかったこと。でも、家で飲むのが好きなのかなと思い込んでいました」
◆ベロベロになってタメ口でスキンシップを連発
ところが、会も中盤を迎えて参加者たちもお酒が回り始めたころから、丸岡さんは太田さんの異変を感じ始める。
トイレに向かう足取りがふらついていた太田さんのために水を渡すと「いらない、いらない」と急にタメ口になってきたという。お酒も入っていることもあり、敬語よりは話しやすいかなと割り切っていた丸岡さんだが、雲行きが怪しくなる。
「太田さんは私の肩や二の腕をベタベタ触り始めてきたんです。酔っているとはいえ、さすがに気分が悪くなり、触れてくる手を避けていたんですが『いいじゃん、ダメなの?』と急にいやらしい一面を見せてきたんです」
パーティー開始から1時間が経過しており、主催者は会場から不在に。聞けば、主催者も人員不足のため、別のパーティーのほうに向かっていたようだ。
そこで太田さんから離れて座ることにした丸岡さん。しかし、ベロベロになった太田さんは「どこ行くの?」と追ってきて、またも隣の席に座り、スキンシップを続けたという。
◆ドレスにワインをこぼされて「黙れ!ブス」と罵倒
状況に気づいた別の女性が「困っていますよ」と、丸岡さんに救いの手を差し伸べてくれたが、「あんたは関係ないでしょ!」と声を荒げるように。
「この人は絶対に無理」と確信した丸岡さんはトイレで気持ちを落ち着かせることに。しかし、席に戻ると事態はさらに悪化していた。
太田さんは別の女性にもスキンシップを始めており、全員がドン引き。「スタイル、いいねぇ」などとセクハラ発言まで始めたそうだ。
パーティーも残り5分を切り、連絡先の交換などが始まったが丸岡さんは一刻も早く帰りたいと思い、身支度を開始。すると、最初の印象が地の底に落ちた太田さんが寄ってきたという。
「連絡先の交換ではなく『この後、もう一軒行こうよ』と笑いながら言ってきました。さすがの私も怒りのマックスに達して『あなたとは絶対行きません!』と強めの口調で言い返しました。すると、持っていたグラスのワインを私に向かってぶちまけてきて『黙れ!ブス』と罵声を浴びせてきたんです」
パーティー会場に響き渡る丸岡さんの悲鳴。この日のために着てきた高級ドレスにワインがかかり汚れてしまい、丸岡さんは泣き崩れてしまったそうだ。
騒然とした店内で悪びれる様子もなく堂々と立ち尽くす太田さんに、別の参加男性が「酔っ払いすぎですよ。主催者に報告しますから」と近づくと、太田さんはその男性を平手打ち。楽しかったパーティーが地獄のムードに変わったという。
◆パーティーが一転して警察騒ぎに……
丸岡さんが泣き崩れている間に従業員が警察を呼んだらしく、ほどなくして数名の警官が店に到着。急に怖気づいた太田さんは神妙に事情聴取を受け始めたという。
「私や他の参加者も簡単な事情聴取を受けることになりました。スキンシップやセクハラをされたこと、ドレスを汚されて罵倒されたこと。すべて話しました。太田さんは鞄の中身などもチェックされ、かなりうろたえた様子だったので『ざまぁみろ』と心の底から思いましたね」
警察も大事にはせず、その場は解散することになったタイミングで、パーティー主催者が到着。ひたすら丸岡さんに謝罪し、パーティー参加費とクリーニング代を渡してくれたという。すると、お金だけを受け取って去ろうとした彼女にとんでもない真実が明かされたそうだ。
「パーティー主催者が警察に聞いた話だと、免許証から、太田さんの住所は福岡県と判明。財布からは、子供が通う病院のカードやおもちゃ屋の割引券などが出てきたそうで、“あの男”は地方に住む既婚者ということを知りました。
出張で東京に前乗りしており、暇を持て余して女性荒らしをしようとしていたようです。少しでもいいなと思った自分が情けなくなったとともに、怒りが収まりませんでした」
◆酒好きの男を避けるようになってしまった
パーティー主催者は「今後は合コンパーティーでも『独身証明書』の提出を義務付けるようにします」と弁明していたそうだが、その後どうなったかは分からないという。
「思えば、“あの男”が都内のおすすめの店や地理関係に詳しくなかったのは、都内在住ではなかったからだと気づきました。とにかく最低な一日でした」
合コン形式のパーティーには二度と参加しないと決めた丸岡さんは、会費がやや割高ではあるが口コミで一番評判の良い結婚相談所に登録。独身証明書を提出しているかの確認と酒好きの男性は避けるようになったという。
現状、まだパートナーは見つかっていないが、充実した婚活ライフを送っているそうだ。
ライター/木田トウセイ
【木田トウセイ】
テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。