
【写真】第45回ポルト国際映画祭、映画『ドールハウス』のグランプリ発表時の様子
長澤まさみが脚本の面白さに出演を熱望したという本作は、ノンストップの“ドールミステリー”。脚本・監督を務めたのは、『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』などの矢口史靖監督。「いつかオリジナル脚本で撮りたい」とアイデアを温めていた本作は、愛らしい人形が一転、家族をほんろうしてゆくスリリングな面白さはもちろん、人形に隠された秘密が徐々に解き明かされる謎解きミステリーでもあり、驚きのラストが待ち受ける。長澤のほか、瀬戸康史、田中哲司、安田顕、風吹ジュンが出演する。
2月28日からポルトガル第2の都市・ポルトで毎年開催されているポルト国際映画祭で、国内に先駆けて本作が上映され、舞台あいさつを実施。ポルト国際映画祭は、1981年にはじまりファンタジーやSFなどのジャンル映画に特化した国際映画祭であり、シッチェス国際映画祭やブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭と並び世界三大ファンタスティック映画祭の一つだ。
本作はファンタジー長編部門のコンペティション及びオリエントエクスプレス部門にて選出。このたび、ポルト国際映画祭のグランプリ「Best Film Award」を受賞。かつてアカデミー賞監督のギレルモ・デル・トロやアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥやカルト映画の鬼才ジョージ・A・ロメロ、そしてデヴィッド・フィンチャー、ダニー・ボイル、ピーター・ジャクソン、リュック・ベッソンなど歴史に残る名作を撮ってきたそうそうたる監督たちも受賞している。
現地での舞台あいさつでは矢口監督と劇中で愛らしい人形ながらも長澤まさみ演じる主人公の家族を翻弄していく謎の人形“アヤ”が登壇し、観客からの拍手喝采が巻き起こり、本編上映中もところどころで驚きの声があがり、時には笑い声も上がり、息もつかせぬストーリー展開に見入っていた。上映後にはエンドロールを待たずに5分間にわたるスタンディングオベーションも。
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さらに「作品のテイストも独創的です。CG技術に頼らない作品で、この人形のような質感はCGでは出せないものです。面白いことに、彼女が本当に普通の子供に見えました。人形なのに本物の人間のように見えてしまうのです。私も幼かった時、ちょうど同じような人形を持っていたんです。小さな人形でしたが…彼女のように怖い人形ではなかったですね! チケットは完売でした。大ヒット間違いなしです」とコメントしている。
この喜ばしい結果を受けて、矢口監督は「ポルトの観客の皆さんにお礼を言いたいです。あんなに熱狂的に受け入れてくれるとは想像してなかったので、上映中のどよめきと大絶叫が一番のご褒美です。賞を頂けたことで、映画として誰にでも楽しめるエンタテインメントができたのだと確信しました。ありがとうございます」と喜びのコメントを寄せた。
映画『ドールハウス』は、6月13日より全国公開。