
【動画】「こんな人生抜け出すぞ」逆襲開始! 『ミッキー17』日本版予告
映画『パラサイト 半地下の家族』(2019)を手がけたポン・ジュノ監督の最新作である本作は、半地下を超えた《どん底》からの反撃サスペンス・エンターテイメント。原作はエドワード・アシュトンによる小説『ミッキー7』(早川書房)。
主演は『テネット』『ザ・バットマン』のロバート・パティンソン。共演にはナオミ・アッキー、スティーブン・ユァン、トニ・コレット、そしてマーク・ラファロら実力派キャストが集結する。
この度、日本語吹替版の声優陣が一挙解禁。
本作の主人公ミッキー(ロバート)は、ブラック企業のトップに、“死にゲー”任務で何度も命を落とし、その度に複製されるという過酷すぎる労働を強いられる。何度も死んで17人目のコピーとなったミッキー17号と、そのコピーとなるミッキー18号の2人がメインキャラクターとして登場するのだが、見た目が全く同じ2人が同時に存在するシーンの吹替ともなれば、声の演技のみでその違いを表現できる声優が必要。厳正なオーディションにて、ミッキー役にふさわしい声優として選ばれたのが成河(そんは)だった。
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そのほか、ブラック企業のトップ・マーシャルとその妻・イルファを、実の夫婦である山路和弘と朴ろ美。ミッキーが最も頼りにするソウルメイトのナーシャに田村睦心、ミッキーの友人ながら彼に言い寄るカイには内田真礼。ひと癖ありげなミッキーの友人、ティモを中村悠一が担当。ブラック企業の研究員ドロシーを花澤香菜が演じる。
今回、声優キャスト陣からポン・ジュノ監督作品の魅力や、自身が演じたキャラクターについて語るコメントも到着。
ポン・ジュノ監督作品の魅力について、成河は「一番の魅力はやはり、人間のダークな部分を過剰なまでに描きながらそれをエンターテイメントとして昇華させる所だと思います。あとは、登場人物全員に細かい癖があって、一見すると酷いシーンでも、愚かさの裏にある人間の愛らしさのようなものを常に失わないというのも魅力だと思います」と力説。
山路は「ポン・ジュノ監督のテンポの良さと、コミカルにして、ゾクっとくるような演出、ユニークなキャラクター達に圧倒される」、朴は「深い社会的メッセージと、それを支える圧倒的な映像美、そして緻密に構築されたキャラクターたちだと思います。ストーリーが進行するにつれてどんどんと引き込まれていき、視覚的にも感情的にも良い意味で強烈な印象を受けます」と語っている。
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※吹替キャストのコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■成河(ミッキー役)
――今回の吹替はいかがでしたか。
ポン・ジュノ監督のハリウッド作品で吹替えに参加出来るなんてまるで夢のようで、選ばれた時は信じられない気持ちというか、現実感がなかったです。そしていざ吹替えに入っても今度は大変さが勝り、実は終わった今でも現実感がありません。二人の異なる人格を持つミッキーの演じ分けはとにかく大変でした。
――ポン・ジュノ監督作品の魅力とは?
一番の魅力はやはり、人間のダークな部分を過剰なまでに描きながらそれをエンターテイメントとして昇華させる所だと思います。あとは、登場人物全員に細かい癖があって、一見すると酷いシーンでも、愚かさの裏にある人間の愛らしさのようなものを常に失わないというのも魅力だと思います。
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ミッキーはいわゆる負け組、最下層の人物としてスタートします。怠け者で受動的で、抑圧や搾取も無思考のまま受け入れます。そんなミッキーが、自分と異なる階級の人間と出会い、さらにもう一人のミッキーが持つ「怒り」と出会い、少しずつ、世界との距離の取り方を見つけていきます。そんな彼の小さな成長にご注目下さい。
■山路和弘(マーシャル役)
――今回の吹替はいかがでしたか。
昔々若い頃、心身共に疲れのピークのある日。道を歩いていると、橋の向こうから、とても元気そうな自分がやって来るのを見た事がある。見つからない様に電柱の陰に隠れた。私が少し離脱系の所為だったのだが…。それを思い出した。
――ポン・ジュノ監督作品の魅力とは?
ポン・ジュノ監督のテンポの良さと、コミカルにして、ゾクっとくるような演出、ユニークなキャラクター達に圧倒される。
――吹替をご担当されたキャラクターについて教えてください。
私が担当した「マーシャル」。マーク・ラファロの独特の眠り眼(マナコ)が大好物の私は、あの目を真似て声を当てていた。そこの処気付いて頂ければ……いや、いくら何でも気付けんわな。
■朴ろ美(イルファ役)
――今回の吹替はいかがでしたか。
イルファは感情の起伏が少なく、一見無感情に見えますが、その内面には葛藤や強い意志が隠れています。そういった微妙なニュアンスを表現するのに苦労をしました。また、トニ・コレット自身の独特な声のトーンや演技スタイルも吹き替えをする点で難しかったところです。
――ポン・ジュノ監督作品の魅力とは?
深い社会的メッセージと、それを支える圧倒的な映像美、そして緻密に構築されたキャラクターたちだと思います。ストーリーが進行するにつれてどんどんと引き込まれていき、視覚的にも感情的にも良い意味で強烈な印象を受けます。
――吹替をご担当されたキャラクターについて教えてください。
イルファは、ブラック企業トップのマーシャルの妻です。クローン労働者たちに過酷な任務を課す立場にあり、彼らを使い捨ての存在として扱います。彼女の冷徹な態度が、作品のテーマである階級格差や労働搾取を象徴していて、その存在が物語に強い印象を与えているところは注目ポイントです。
■中村悠一(ティモ役)
――今回の吹替はいかがでしたか。
役柄がなかなか掴みどころのないキャラクターをしていました。シリアスさとコミカルさを両立させる必要もあったため、色々なパターンを想像して挑戦させていただきました。
――ポン・ジュノ監督作品の魅力とは?
真面目な、ドラマ性の強いシリアスな雰囲気から、良いところで観ている側の気を抜いてくれる、緩急の付け方が非常に素晴らしい作品を作られる方と思っています。本作にもそんなシーンが沢山あり、どんどんと引き込まれました。
――吹替をご担当されたキャラクターについて教えてください。
利己的ですがどこか憎めない人物。最後まで観て頂いた時、やはりそうだよね!と納得の行くポジションと感じます。ご覧いただく皆様の目から、是非彼を評価してみて下さい!
■田村睦心(ナーシャ役)
――今回の吹替はいかがでしたか。
不思議な作品だったので理解するのに少し時間がかかりました。ものすごく大変な状況のはずなのですが、役が思いの外、前向きで知的かつパワータイプだったので面白かったです。
――ポン・ジュノ監督作品の魅力とは?
今回の作品に限ってなのかもしれませんが、嫌なことや嫌な奴でもどこかチャーミングに描かれているところが印象的でした。いろいろな人の立場に立って観られる可能性を感じました。
――吹替をご担当されたキャラクターについて教えてください。
主人公の事を大切に思っているキャラクターなので、とてもつらい気持ちになったり、絶対に守るぞ!という気持ちになったり、感情を揺さぶられつつ吹き替えさせていただきました。大切な人がこんな職業だったら辛すぎる。でもそこに絶望せずに前向きに過ごしている彼女が強くてすごいです。未来にこんな技術ができたとしても、この映画を思い出してほしいなと思います!
■内田真礼(カイ役)
――今回の吹替はいかがでしたか。
アフレコは楽しみながら、取り組ませていただきました!!
――ポン・ジュノ監督作品の魅力とは?
日常の会話の中に、ぽんと不思議なメッセージが置かれていたり、隠れていたり、、ドキッとさせられる演出の数々に、心を鷲掴みにされます。
――吹替をご担当されたキャラクターについて教えてください。
ミッキーとともに働いている友人のひとりです。彼女が見た景色は壮絶なものだと感じました。吹き替え版も、ぜひお楽しみください!
■花澤香菜(ドロシー役)
――今回の吹替はいかがでしたか。
彼女のミッキーに対する研究者としての言動が、客観的には残酷に見える時もあるのですが、本当は母性のような愛情をもって接していることを意識して演じました。
――ポン・ジュノ監督作品の魅力とは?
無かったことにしてはいけない、人の苦しみを、過激で魅力的な作品を通して私たちに見せつけてくれるところだと思います。観劇後は、見てはいけないものを見てしまったような、でも決して忘れてはいけないことを教えてもらえたような気がして、ドキドキしてしまいます。
――吹替をご担当されたキャラクターについて教えてください。
他人事とは思えないとんでもなく恐ろしい世界の中で、彼女は癒しの存在になってくれると思います。注目ポイントはある生き物の鳴き真似です…難しかったです(笑)。そして、ミッキーの語りの明るさと物語のコントラストでぐちゃぐちゃになる感情をぜひ堪能していただきたいです。