120年未解決の難問解明=裁ち合わせパズル、「解は存在せず」―北陸先端科技大
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2025年03月11日 07:31 時事通信社

三角形を切り分けた断片から四角形をつくるなど、ある図形を分解・組み合わせて別の図形にする「裁ち合わせパズル」で、120年以上未解決だった難問を、北陸先端科学技術大学院大(石川県能美市)と米マサチューセッツ工科大の研究チームが解明したと10日発表した。
今回解明されたのは、正三角形を三つに切り分け、断片を裏返さずに正方形を作る解があるかというパズル。英国のパズル作家ヘンリー・デュードニーが1902年に新聞のコラムで提案し、四つに分解した場合は裏返さずに正方形を作れることが分かっていた。一方、三つ以下でできるかは未解明だった。
北陸先端科技大の鎌田斗南助教らの研究チームは、正三角形と正方形をそれぞれ三つに切り分けたパターンについて、トポロジー(位相幾何学)の概念を使って分類。図形の辺や頂点の関係を考慮して連立方程式を導き出し、三つ以下では成立する解は「存在しない」ことを証明した。
今回編み出した手法について、記者会見した鎌田助教は「他の裁ち合わせパズルなど、形を変形させるために最適な方法を見つけ出す助けになるのではないか」と話した。同席した東京理科大の秋山仁栄誉教授は「(パズルの解法は)宇宙へ機材を運ぶ場合や自動車のエアバッグの畳み方などに役立っている」として、工業分野への応用につながることに期待感を示した。
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