映画『Love Letter』4K リマスター、4月4日公開決定 (C)フジテレビジョン 1995年3月25日に封切られた岩井俊二監督の長編デビュー作『Love Letter』が、公開30周年を記念した4Kリマスターで、4月4日から劇場公開される(配給:TOHO NEXT)。
【画像】中山美穂さんが一人二役に挑戦した映画『Love Letter』場面写真 中山美穂、豊川悦司、酒井美紀、柏原崇らキャストのアンサンブルと岩井監督の紡ぎ出す映像美、そして聖地巡礼の先駆けとなる小樽でのロケーションなどが話題を呼び、今もなお色あせることとなく恋愛映画の金字塔として世界中で愛され続けている作品。
岩井監督は「初号を観た中山美穂さんが涙を流してくれた時に、やっと映画が完成したのかなとホッとしました」と当時を振り返り、「中山さんとは、30周年にあわせてロケ地の小樽に行こうと話していたところだったので、突然の報せを受け、とても驚き言葉になりませんでした。そんな時に公開30周年を記念して4Kリマスターを劇場で上映していただけると聞き、改めて『Love Letter』が永く愛されていることを感じました」と、昨年急逝した中山さんを偲んだ。
最新技術を駆使した4Kリマスター版には、当時気づかなかった新たな発見があるかもしれない。
■岩井俊二監督のコメント(全文)
劇場公開から気づけば30年。当時、テレビドラマはいくつかやっていましたが、長編映画は1作目。35ミリフィルムで撮影するのも初めてということもあり、ビデオカメラとは違う集中力が必要でした。“手紙”という題材がとても難しく、脳みそをくたびれさせながら悪戦苦闘して創りあげました。うまくいっているのか最後まで不安でしたが、初号を観た中山美穂さんが涙を流してくれた時に、やっと映画が完成したのかなとホッとしました。
中山さんとは、30周年にあわせてロケ地の小樽に行こうと話していたところだったので、突然の報せを受け、とても驚き言葉になりませんでした。そんな時に公開30周年を記念して4Kリマスターを劇場で上映していただけると聞き、改めて『Love Letter』が永く愛されていることを感じました。
今でも、若い方や世界各国の方たちからSNSを通じて「『Love Letter』を観ました」というコメントをいただきます。4Kリマスター化にあたっては、フィルムでは細かい調整が効かなかった部分に手を加え、音声はドルビーSRから5.1chのデジタルサラウンドに変更しているのですが、センターはフィルムの音を残しています。30年の時を超えてスクリーンに蘇る『Love Letter』を、ぜひ劇場でご覧いただければと思います。
■ストーリー
神戸に住む渡辺博子(中山美穂)が、山の遭難事故でフィアンセの藤井樹(いつき)を亡くして2年が経った。三回忌の帰り道、樹の家を訪れた博子は、樹の中学時代の卒業アルバムから彼がかつて住んでいた小樽の住所を見つけ出した。博子は忘れられない彼への思いをいやすために、彼が昔住んでいた小樽=天国へ一通の手紙を出した…。
ところが、あろうはずのない返事が返ってきた。やがて、博子はフィアンセと同姓同名で中学時代の同級生、ただし女性の藤井樹(中山)が小樽にいることを知る。博子の恋、樹の恋。一通のラヴレターが埋もれていた二つの恋を浮き彫りにしていく。