
1990年代から2000年代にかけて就職活動していた学生は就職氷河期世代と呼ばれる。その言葉通り、有名大学卒でも就活がかなり厳しかった頃だ。広島県の45歳男性は「2003年、大学卒」とし、
「300社くらいにエントリー。面談までたどり着いたのは3社。合格できた1社に何とか就職」
と過酷だった就活を振り返った。(文:天音琴葉)
「毎年30名採用してましたが、3年後には0名になる」
だが入社した会社は「年商100億円で社員は100名のデータ上は老舗優良メーカー企業」だったが、実態はひどいものだった。
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「配属先の上司は完全ヒラメ社員でカラ伝票カラ出張からのカラ発注。利益はめちゃくちゃ上げて、超絶ゴマスリのすえ出世して行きました」
一方で、人の良い上司が返品処理をし、不正会計の濡れ衣を着せられてクビになっていた。
「コンプライアンスなんて見たことがないという職場環境。新人や中途採用は毎年30名採用してましたが、3年後には0名になる」
今よりコンプラ意識が低かった当時でもひどい会社だと思うが、男性は「初めての会社でそれが当たり前と思っていた」という。だがそんな男性に転機が訪れた。
「2006年好景気開始のタイミングで超絶大企業に転職。当然、大企業は優秀な人だらけで今現在は万年平社員を満喫しております」
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現在の男性はIT系企業の営業職に就いており、年収800万円だという。
そんな男性につい最近、グループ企業への転籍の打診があったそうだ。キャリアアップするためには経験を積む必要があるから、おそらく話を引き受けるつもりなのだろう。
「新しい環境に行ってもあの超絶ブラックは体験できないと思うと少し刺激が足りないかもしれないですね」
当時のことを冗談めかして語れるほど今は充実しているという証だろうか。中には今に至るまでつらい状況が続いている人もいるだろうが、なんとか就職氷河期世代という呪縛から抜け出してもらいたい。
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