藤田ニコル ときめきと好きを大事に 苦手を得意に 健康的な美を追求 大人の「にこるん」の今

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2025年03月16日 08:00  日刊スポーツ

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テレビ出演やイベントなどで大忙しの藤田ニコル。私も度々見かけている気がしていたが意外にもはじめてのインタビューだった。現場でセッティングに迷い覚悟を決めて臨んだ撮影だったが、相手はプロ。様々なポーズに応えてくれて、私の不安は一瞬で吹き飛ばされた(撮影・小沢裕)

モデルでタレントの藤田ニコル(27)が12日に、これまでの美容法を惜しみなく明かした「私が垢抜けた82の方法」(講談社)を出版した。「にこるんビーム」でテレビを席巻してから約10年。SNSで外見をやゆされながらも自分磨きを怠らず、健康的な美を追求してきた。7年半務めた「ViVi」(講談社)専属モデルは23日発売の5月号をもって卒業する。ギャルから洗練された大人の女性になった「にこるん」の今に迫る。【鎌田良美】


★自前コスメ持参


並の人ならまず、そこで心が折れる。テレビに出始めた約10年前、SNSに外見への悪口が並んだ。「藤田ニコル ブス」がトレンド入りしたことも。


「本業モデルなのにこんなに言われるんだ、って当時は思ったんですけど。だからこそかわいくなりたいと思って、いろんな美容を試したんですよ」


目には目を。「テレビでいろいろ言われたから、テレビでの見え方を試しました」。自前のコスメを収録現場に持参するようになった。「盛れた」と思った日はSNSでも好評だった。やってみたかったメークを実践したら「むくんでる」と書かれた。リアルな声は参考になった。「今の自分にたどり着くまで、ほとんど失敗してる」。トライ&エラーを繰り返した。


ときめきを大事にする。「似合う」にとらわれて「好き」を捨てるのはもったいないと話す。


「パーソナルカラーや顔タイプに当てはまらないからやめとこうってなるのはすごく切ない。冒険して、意外といけるじゃん! ってなる方が毎日楽しい。じゃないと新しい自分に出会えないし」


★施術も赤裸々に


例えば、青みピンクのリップ。「イエベ春の私には似合わないって言われてる色ですけど、綿棒でぼかしたりふわっとさせるだけでもなじんで見えたり。青みピンクが似合うようになったのは、人生で結構でかい経験でしたね」


好きを大事に。苦手も得意に。「大好き」なコスメは増え自宅に化粧品を置くメーク部屋ができた。加えて著書では美容施術についても赤裸々に明かしている。「隠すのも変だし、メスが入ってなければ言っていいかなって」。あっけらかんと笑い、自分の好きなところを「うそがないところ」と明言した。


09年に雑誌「nicola」でモデルデビュー。「Popteen」「ViVi」と活躍の場を移し、外野のネガティブな声をはねのけて、美しい大人の女性になった。心は強くなるかと聞くと、うなずいた。「私はこういう業界にいるから特殊タイプですけど。いっぱい言われ続けて強くなった。滝行みたいな」と笑った。


「批判的なこと言う人の人生に、私の悪口なんて多分そんなに残ってない。軽く考えるようになりましたね。日によっては食らっちゃう時もありますけど」


★夫や身近な人を


人をおとしめるより、幸せをシェアしたい。


「私、本当に今の世の中が嫌すぎて。SNSも他人の基準で勝手に決め付けてくるじゃないですか。勝手に審査される時代というか。それより、すごいね、頑張ったね、かわいいねって言ってる世の中の方がいい。その方がハッピー」


23年8月に俳優稲葉友(32)と結婚した。世間の評価も大事だが、身近な人の声を大切にしたいという。


「お母さんは『かわいいね』もそうだし、ずっと愛のある言葉をかけてくれた。夫もいつもポジティブな言葉をかけてくれるので。私もそうでありたいな」


カラーコンタクトやコスメブランドのプロデュースを行い、実業家の顔も持つ。多忙な日々。だが健康的な美に快眠は欠かせない。スマホアプリの「ポケモンスリープ」を愛用中。どんなに仕事が忙しくても「ピカチュウたちを寝かせないと」と思ってたくさん寝る。そのために早く風呂に入る。健康的な生活は心の安定につながった。


★推し球団探し中


寝るより遊びと仕事を優先していた20代前半、よく落ち込んでSNSに書き込みをした。「SNSで病むことも最近はなくなりました。それが自分の一番大きい成長。病みを届けるのはよくないなって」と大きな変化を感じている。ただ、意外な困り事? も。


「健康的になったら悩みがなくなって、おもしろみがなくなってきちゃった。バラエティーのアンケートも書くことがなくて。だって朝起きて、犬の散歩して、仕事して、外食もしないで寝てたら、そりゃ何も起きないなって」


だから休日は、刺激と変化を求めて外に出る。ちなみに24年は「推し球団」を見つけるべく、関東のプロ野球本拠地を巡っていた。


「埼玉出身だから西武を推すべきなのかな。でも東京ドームだとタピオカ飲めたり、ご飯屋さんもいっぱいあるし。神宮はちょっと日焼け気になるなあ、みたいな。施設で決めてるかもしれない」と、楽しみ方も流されない。目下、推し球団は「探し中」という。


★24時間心の声を


23日発売の最新号をもって、7年半モデルを務めた「ViVi」を卒業する。27歳という年齢も考えての決断。同誌では表紙回数が歴代1位になるなど長く愛された。


「これが終わったらヘアスタイルも変えたりしたいなと思ってます。最近レイヤーを入れたりしてるので、4月からはちょっとイメチェンしたいですね。お洋服も少しずつ、年齢に合った感じに変えていけたらなと思います」


外見の変化とともにライフステージは変わっていく。「私は自分と向き合ってる時間が長いです。もう24時間。自分の気持ちを聞いて、行動に移しますね」。心の声に耳を傾け、自分に素直に生きる。それは今後も変わらないのだろう。


▼泉地佑紀ViVi副編集長


初めて会ったのは4年前。すごく素直で、何でも言葉を真っすぐ受け取る人だと思っています。人の気持ちや痛みも分かるし、人の言葉でちゃんと傷つく。でも立ち上がって挑戦する勇気を持っている。繊細だけど強いんですよ。写真を撮っていても、みんなが満足してないんじゃないかとか、何も言わなくても察知して、表情やポーズを変えたりする。そういうところが周りの人に愛されるんだと思います。人の痛みが分かる、自分も傷つくけど頑張る、みたいなところを私は尊敬していて、それがこの本をつくりたいと思った一番のところです。


◆藤田(ふじた)ニコル


1998年(平10)2月20日、ニュージーランド生まれ。09年にファッション誌「nicola」の第13回ニコラモデルオーディションに応募。グランプリの5人に選ばれ、専属モデルになる。14年4月に同誌を卒業し、同年6月から「Popteen」専属モデル。日経トレンディが選ぶ「2015年のヒット人」選出。17年10月から「ViVi」専属モデルに。23年8月に俳優稲葉友と結婚。「にこるん」の愛称で多くのバラエティー番組で存在感を発揮し、CM出演も多数。日本テレビ系「ヒルナンデス!」月曜レギュラー。167センチ。血液型A。


◆「私が垢抜けた82の方法」


メーク方法やスキンケアなど、藤田がかわいくなるために実践してきた美容テクニックを分かりやすく解説。自信を持って美しく健康に過ごすための考え方や、メンタルの保ち方も語った、美の秘密に迫る1冊。講談社から発売中。

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