『風の谷のナウシカ』“王蟲”からインスピレーションも 『ミッキー17』謎のモンスターと出会う衝撃の本編映像公開

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2025年03月17日 19:10  クランクイン!

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映画『ミッキー17』ポン・ジュノ監督(中央)と主演のロバート・パティンソン(右) (C)2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
 ロバート・パティンソンが主演するポン・ジュノ監督の映画『ミッキー17』(3月28日公開)より、落下事故に遭ったミッキーが謎のモンスター“クリーパー”に引きずられ、絶体絶命に陥る本編映像が解禁。併せて、ポン・ジュノ監督がスタジオジブリ作品から受けた影響を語る特別コメントが到着した。

【動画】『ミッキー17』 “謎のモンスター”と出会う衝撃の本編映像公開

 映画『パラサイト 半地下の家族』(2019)を手がけたポン・ジュノ監督の最新作である本作は、半地下を超えた《どん底》の使い捨てワーカー“ミッキー”による、権力者たちへの逆襲エンターテイメント。

 今回初解禁された本編映像は、ロバート・パティンソン演じるミッキーが、本作に登場する謎のモンスター=クリーパーに引きずられている場面。「ここはどこだ? 何が起きた? なぜ俺を食べない? 気絶してたのに…」と戸惑うミッキーは、自分を引きずる大きなクリーパーの背中を見つめる。

 「そうか、子どもに食べさせる気だな。優しいママだ」とクリーパー心中を読もうとするミッキーに小さなクリーパー近寄ってくる。顔中をなめられ、手袋をくわえら、観念したかのように目をつむると「早いとこ終わらせてくれ、ほらガブリとかじれよ」と覚悟を決める。だが、クリーパーは一向に食らいつくそぶりを見せずにどんどん進んで行く。

 「どこに連れて行くんだ?」と困惑するミッキーを、大クリーパーが尻尾を巧みに使って引き上げると、中小のクリーパーが総かがりで雪原に押し出す。ミッキーは「リプリントされた肉はまずいか? おい、俺はおいしいぞ、新鮮な肉だ、味は保証する」と叫ぶ。すると、大中小と3種類の大きさの異なるクリーパーがそろってミッキーを見つめて…。

 また「ミッキー“17”の日」(3月17日)に合わせ、ポン・ジュノ監督が日本だけの取材に応じた特別コメントも公開。

 劇中で“クリーパー”と呼ばれる謎のモンスターは、『風の谷のナウシカ』(1984)に登場する“王蟲(オ−ム)”を彷彿させる。宮崎駿監督からの影響についてポン・ジュノ監督は「『Okja/オクジャ』(2017)のときも、主人公のミジャがオクジャのお腹の上で昼寝をするシーンがありましたが、あれはまさに『となりのトトロ』(1988)からインスピレーションを受けたシーンでした」と前置きし、「クリーパーはもう少し複雑で、様々なインスピレーションが混在しています。デザインそのものは、クロワッサンから着想を得たもので、パンが出発点です。動きに関しては、様々なアイディアが組み合わさっています」と続ける。

 さらに、「クリーパーは三種類ですが、ジュニアクリーパー、ベイビークリーパー、そして女王蜂のように一匹だけのママクリーパーがいます」と説明し、「ジュニアクリーパーがボールのように丸まっていく動きが登場します。それはアルマジロを参考にしています。出来上がったものを見て、ダンゴムシのようだと言う方もいましたが…」とほほえむと、宮崎駿監督作の「『風の谷のナウシカ』で王蟲が群れになって突進するシーンも、インスピレーションの源だったと言えます」と告白する。

 「クリーパーが群れになって絡み合う姿は、アラスカのトナカイの動きのパターンがモチーフとなっています。動物ドキュメンタリーを見ると出てきます。サークルの中心部分に子供のトナカイを置いて、群れが時計の反対周りにらせん状を描いていく荘厳でスペクタクルな映像があります」と、クリーパーが宮崎駿監督作品のみならず、食べ物から、動物まで、ありとあらゆるものからインスピレーションを受けて完成したキャラクターだと明かす。

 さらには「宮崎駿監督はいつも生態系や自然、環境に対するテーマを描かれていますが、私も大きな関心を持っているテーマですので、動物やクリーチャーを表現する際には、宮崎駿監督の作品は尽きないインスピレーションの源になっていると思います」と打ち明けた。

 ロンドンで行われたワールドプレミアで、主演のロバート・パティンンがアニメを参考にしてミッキーの役作りを進めたと語ったことについては「ロバート・パティンソンはアニメをたくさん見ているようで、マニアックな性格ですね」と笑い、「先ほど3つのクリーパーについてお話しましたが、その中でアクションを担当しているのは、ダイナミックに飛び跳ねながらアルマジロのように群れになって動くジュニアクリーパーです。すべてのクリーパーが、ウルレーションと呼ばれる直立して鳴き声を発する姿を見ると、多くの脚があることが分かります。複数の脚を持つ生物は、走るときにとても不思議な動きをします。リズムが妙なんです。専門用語ではウォークサイクルといいますが、これを作るのが、クリーチャーを表現する上で最も重要な基本です。ジュニアクリーパーが勢いよく走るとき、ウォークサイクルをどうするべきか。短い脚がいくつもあって、それらを走らせなければなりません」とコメント。

 そして、「レファレンス先を探している中、CGチームのほうから『となりのトトロ』に出てくるネコバスのアイディアが出ました。あのネコは足が4本ではなく、何本もあるんです。『となりのトトロ』ではその足が絶妙なリズムで動く様子が見事に描写されています」と、『ミッキー17』のCGチームが『となりのトトロ』を参考にクリーパーの造形と、独特の動きを作り上げたと語っている。

 映画『ミッキー17』は、3月28日より日本公開。
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