「全サッカー選手の夢」であるW杯へ…菅原由勢が示す成長の道筋「1試合も無駄にはできない」

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2025年03月18日 21:03  サッカーキング

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日本代表の菅原由勢(撮影は昨年11月のインドネシア戦) [写真]=Getty Images
 FIFAワールドカップ26アジア最終予選に向けて調整を続ける日本代表。20日に控えた第7節バーレーン代表戦を勝利で飾れば、日本代表史上最速でのワールドカップ出場が確定する。そんな状況のなか、17日に報道陣の取材に応じたDF菅原由勢(サウサンプトン/イングランド)が、改めてワールドカップという大会の価値について自身の見解を発した。

 昨年9月に開幕した最終予選も後半戦に突入し、日本代表はここまで5勝1分無敗、22得点2失点と圧倒的な強さを見せつけている。順位表では2位のオーストラリア代表に勝ち点差「9」を付けて首位を独走しており、“史上最速”でのワールドカップ出場権獲得に王手をかけた。

 だが、これまで多くの選手たちが口にしてきたように、菅原の中にも、あくまでもワールドカップ出場は“通過点”だとの思いがある。「みんなも言っていると思いますが、僕らにはワールドカップ優勝という目標がある」と切り出すと、「代表チームとして戦う試合は限られているので、1試合も無駄にはできない。チームとしての成熟度も含めて、まだまだ上げていかなきゃいけない部分もあります」と気を引き締めただけでなく、バーレーン戦に向けては「ワールドカップ出場が決まるとか関係なしに、ワールドカップ優勝のための過程としたい。結果とパフォーマンスの双方にこだわりたいと思っています」と力強く語る。

 仮に3月シリーズで8大会連続8回目のワールドカップ出場が決まった場合、チームとしては“対アジア”だけでなく、“対世界”という部分も意識しなければならない。ただし、菅原は「選手それぞれがいろんなリーグでやってるんで、少なからず対峙する選手の特徴が頭に入っている部分はある」と、個人間の“ギャップ”は少ないと指摘する。

 一方で、「じゃあチームとしてどのように戦うのか。それぞれの特性を持った国のチームと戦う部分では、対戦経験の面でも不足している部分はある」とも認め、「今の自分たちにできることは、いろんなところを試行錯誤しながらやっていくこと」と話す。菅原なりの言葉で、チームが上を目指すために必要だと考える要素を明かした。

「チームとしてできることには時間の面でも限りがある。もちろん、試合の中で出た課題は遠征中に共有して、改善に繋げていく必要がありますが、まずは選手たちがよりレベルの高い環境でプレーし、よりよい選手、より“世界で戦える選手”にならなければならない。そうすれば、自ずとワールドカップで優勝する確率も高まると思っています」

 チームとしての成熟を目指すことはもちろんだが、個人としては、本大会のメンバー入りに向けた熾烈な争いも待ち受けている。菅原は2020年10月にA代表デビューを飾ったものの、以降の定着は叶わず、カタール大会のメンバーには入れなかった。日本代表の常連となったのは、“第二次政権”の森保ジャパンとなってから。つまり、個人としては初のワールドカップ出場を目指すこととなる。

 改めて、菅原にとってワールドカップとはどのような大会なのか。「どちらが良い悪いと言う問題ではない」と前置きしつつ、菅原が明かしたのは「多分、日本人が考えるワールドカップ出場、ワールドカップ優勝の価値と、他国から見たワールドカップの価値では、考え方が違うと思う」という意見。その上で、サッカーをする上での他国との環境の違いにも言及しながら、ワールドカップという舞台は、「全サッカー選手の夢」だと主張した。

「僕らはサッカーをするにあたって何不自由のない環境で生まれ育ってきました。近くに行けば芝生の公園があって、コーチがいて、友達がいて、綺麗なボールがある。そんな環境でサッカーができて、テレビでも試合が見れている」

「ただ、視点を変えれば、違う環境で育った海外の選手たちもいます。アスファルトしかないような環境や、ボールもないようなところからサッカーを始めた選手たちももちろんいるわけです」

「僕らと彼らとでは、スタート地点や育ってきた環境は違いますが、結局のところ、ワールドカップに出場したい、ワールドカップで優勝したいという思いをみんな口にします。それだけ、ワールドカップという大会は、サッカーをする全世界の選手にとって価値があるものなのだと感じます。例えば、今まで(リオネル・)メッシは数々の偉業を成し遂げてきましたけど、そんな彼でも、やはりワールドカップには強くこだわっていた。それだけの価値がある大会ですよね」

「全サッカー選手の夢」である舞台へ…菅原由勢が示す成長の道筋「W杯優勝のための過程としたい」


【ハイライト動画】日本代表、最終予選でのここまでの道のり


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