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コンクリート詰めにされた女児の遺体が大阪府八尾市の集合住宅から見つかった事件で、大阪府警は19日、女児の身元はDNA型鑑定などで岩本玲奈さんと確認されたと明らかにした。玲奈さんが生存していたとみられる時期に親族から申し出があり、八尾市が住民票を削除していた。府警は死体遺棄容疑で逮捕された無職の飯森憲幸容疑者(41)らから事情を聴き、経緯を詳しく調べている。
玲奈さんは飯森容疑者のめいで、2007年ごろに6〜7歳で死亡したとみられている。容疑者は府警の調べに「姉の子どもの玲奈を遺棄した。7歳ぐらいの時にたたいたら、翌朝に冷たくなっていた」と供述。府警は暴行にも関与したとみて捜査している。
府警捜査1課や八尾市によると、00年に市内を住所とする玲奈さんの出生届が提出された。02年ごろから母と一緒に、飯森容疑者の80代の父が住んでいた市内の集合住宅に転居したとみられる。
市はこの間、出生届の住所に母親宛ての書類を郵送。しかし返送されてきたことから、02年に居住実態の調査を始めた。この際に飯森容疑者の父は市に「玲奈らと同居している。玲奈の母の事情で、出生届の住所からこの家に住民票を移せない」と説明していた。
さらに04年6月には容疑者の父が「玲奈と母がどこかに行ってしまった」と申告したことなどから、市は居住実態がないと判断。この年の9月に住民票を削除したという。市は調査で、玲奈さんの姿を確認できていなかった。
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府警の捜査で玲奈さんは05年3月、市内の病院を風邪で受診していたことが確認された。府警は玲奈さんが住民票を削除された後も、容疑者の父と暮らしていたとみている。
玲奈さんの母は04年ごろに家を出たため、容疑者の父が玲奈さんの面倒を見ていた。しかし、父は世話ができないと訴え、飯森容疑者が06年10月ごろから大阪市平野区の自宅で預かっていたという。玲奈さんはその後に死亡したとされる。
玲奈さんは13年、容疑者の別の親族が申請した失踪宣告が確定し、死亡したとみなされていた。この親族は玲奈さんが行方不明になった理由を知らなかったとみられる。
当初所在が分からなかった玲奈さんの母と府警は連絡が取れており、玲奈さんが容疑者に預けられた経緯などを聞いていた。
飯森容疑者は交際相手で無職の柴田朱里容疑者(36)と共謀し、集合住宅の一室に24年11月初旬から遺体を放置したとして今月に逮捕された。【林みづき、斉藤朋恵】
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