「従業員退職」に起因する倒産、2024年は過去最多に 最も深刻な業種は?

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2025年03月21日 05:21  ITmedia ビジネスオンライン

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「従業員退職型」の倒産が増えている(提供:写真AC)

 従業員の退職が原因となり、経営破綻する企業が増えている。帝国データバンクが調査結果を発表し、2024年は「従業員退職型」の倒産が87件で、過去最多だった。IT産業や老人福祉施設をはじめとする「サービス業」や「建設業」など、人材の定着率に課題を持つ業種で多く発生した。


【調査結果】「従業員退職型」倒産件数の推移


 従業員や経営幹部などの退職が直接・間接的に起因した従業員退職型の倒産が、前年(67件)から20件増加した。多くの産業で人手不足感がピークに達した2019年(71件)を大幅に上回り、集計可能な2013年以降で最多を更新した。


 業種別に見ると、最多は「サービス業」(31件)。2019年以来、5年ぶりに最多となった。中でも多いのがソフトウェア開発などIT産業や、人材派遣会社、美容室、老人福祉施設などだ。いずれも人材の定着率が他産業と比べて課題とされる。


 業種別の2位は「建設業」(18件)。設計者や施工監理者など、業務に不可欠な資格を持つ従業員が退職し、事業運営が困難になった企業が目立った。この他「製造業」と「運輸・通信業」(各12件)が初めて年間10件を超え、工場作業員やドライバーの退職で事業がままならなくなったケースも相次いだ。


 長期化する物価上昇に対し、働き手の賃上げを求める声は強まっている。こうした流れを受け、継続的な賃上げを検討する動きが大企業から中堅・中小企業にも広がってきた。一方、賃上げしたくても収益力が乏しい中小企業も多く、帝国データバンクは、待遇改善ができずに人材が流出する「賃上げ難倒産」が2025年に増加する可能性を指摘している。



このニュースに関するつぶやき

  • バブル崩壊後モノがどんどん売れなくなり「金払う側(客、経営者)が偉い」で30年以上来たんだけど今は供給する側が偉いに変わってきているんだよね。労働者にとっては追い風だけど物買う時は店の言い値が通る時代よ?
    • イイネ!16
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