
【写真】坂本昌行、増田貴久、柚希礼音、夢咲ねね、保坂知寿ら豪華キャストが共演!
◆ミュージカル初共演 「舞台人」として寄せるお互いへの信頼
本作は、1942年にビング・クロスビー&フレッド・アステア主演で公開された映画『Holiday Inn』(邦題『スウィング・ホテル』)をもとにしたミュージカル作品。この映画のために書き下ろされた「White Christmas」をはじめとするアーヴィング・バーリンの名曲が詰まった作品を、『TOP HAT』『FOLLIES』などで知られる英ミュージカル界を代表する振付・演出家のビル・ディーマーの手により届ける。
ショービジネスの世界に幻滅し、田舎で農場経営をしようと決意する主人公ジム・ハーディを坂本、ジムの親友でパフォーマーとしてのパートナーであるテッド・ハノーバーを増田が演じる。
――今回舞台では初めてのご共演となります。お話を聞かれた時のお気持ちはいかがでしたか。
坂本:作品もバラエティーも観ていますし、やっと来たかという感覚はないんですよね。いつも会ってるし、やってるしみたいな感覚が刷り込まれていて、「あ、今度増田とか」と逆にリラックスした感じです。
増田:僕は作品の内容を知る前に、「坂本くん主演のミュージカルに出ませんか?」というオファーをもらって「出ます!」と言って…。
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増田:断るならそのタイミングしかなかったですけど(笑)。内容や他に誰が出るとも聞かず、坂本くんと共演できるというのに惹かれて「やりたい!」って言いました。後々内容を聞いたら、やったことのないタップとか出てきてビビっています。
坂本:増田の主演ドラマにゲストで出させてもらったときに、チームを作る力があるんだなと感じました。リーダー感がすごく強くて、引っ張っていく引き出しもあるんだなと思って。「今回の稽古場の空気を作るのは増田くんです」とずっと言っているのですが、引っ張ってもらいながら僕は僕の仕事だけをやります(笑)。
増田:ずっと言われてるんですよ。みんなの胃袋をつかむ差し入れから頑張ります。
坂本くんとミュージカルを一緒にやらせてもらうのは初めてですが、これまでバックで踊らせてもらったりとずっと背中を見ている感じでした。作品を一緒に作るというのは初めてなので、坂本くんがどういうふうに現場にいるのか、どういうふうに積み上げていくのかというのを近くで見られるのはうれしいなと思います。
――「舞台人」としてのお互いの印象は?
坂本:『20世紀号に乗って』を観させてもらって、増田は役を自分に引き寄せるタイプなのかなと感じました。器用だな、なんでも上手くこなせるタイプなんだろうなと思いました。
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◆親友同士のキャラクター 役作りで意識することは?
――名曲ぞろいの本作ですが、作品の印象はいかがでしょう。
坂本:テンポ感が面白いですよね。これだけ早くいろんな展開が進んでいくんだっていう。軽快にテンポよく音楽に乗せてやるというのが台本を読んでいてもワクワクしました。自分の声と自分のセリフ、いろんな役者さんのセリフの中に歌が混じったら面白いだろうなと感じましたし、自分の役もいいけど、テッドもいいなって思いながら読んでいましたね。
増田:ブロードウェイバージョンの映像も拝見したのですが、作品に入る前に映像を観ることができたのは初めてで。1度全体像が観られているというのはまた違った感覚があるので、ここからどう変わっていくのかと楽しみです。演出のビルと話した時に、僕用に振りを作るからと言ってくれて。キャストそれぞれのカラーがみんなバラバラなので、テッドらしい、より魅力的なキャラになるよう考えています。
――役作りで意識される点はありますか?
坂本:僕は、自分の役に自分を近づけていくタイプ。どう役を自分にはめていこうかとは考えていなくて、彼だったらこういうセリフが出た理由は何かなと考えるので、僕が染まっていくという感じですね。
増田:そもそもスターの役なので、役作りとかほぼいらないかな。(チラリと坂本のほうを見る)
坂本:(無言&真顔)
増田:テッドってスター性ももちろんあるし、一見自分の空気で歩んでいるように見えるんだけど、実は周りを自然と幸せにしたり勇気づけたりするタイプだと思うので、役作りもそんなにしなくていいんじゃないかと。誰かに気を遣ってしゃべってるとかじゃなく、自然としゃべっていることが誰かを笑顔にしたりしているので、本当にピッタリなんじゃないかと思います。
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増田:ぶっつけ本番で、明日にでも!(笑)
ジムがテッドのことを親友だと言ってくれるセリフがあるのですが、僕は人のことを仲いいとか大好きとは思っても親友とは思わないんですけど…
坂本:さびしいな(笑)。
増田:いやいや、本気で一生大切にする友達とは思うけど、親友というワードをあまり使わないんです。でもジムはそういうふうに思ってくれている。テッドはけっこう自由にしているっぽいけど、そういうふうに人に好かれている部分とか、そういうジムとテッドのもともとの関係性みたいなものをちゃんと出せたらいいなと思います。坂本くんとはプライベートの関係性は仲良しですけど。
坂本:いや。
増田:「いや」はおかしいでしょ!(笑)
坂本:プライベートで会ったことないんで(笑)。
増田:…そうですね。連絡先もこれから交換して、親友感を作っていきたいと思います。
◆誰もが知っている名曲ぞろいの日本初演作品にワクワクとプレッシャー
――名曲のオンパレードとなる本作ですが、楽曲の印象はいかがですか?
坂本:知っている曲もありますし初めて聴く楽曲もあるんですけど、初めて聴く曲ですらワクワクさせてくれる。それってすごいことですよね。音楽チームの方も言っていたんですけど、(音は)ドからドしかないのによくこんな曲が出てくるなって思います。
「White Christmas」は、逆に皆さん知っているからこそのプレッシャーがありますね。英語の歌詞を日本語で歌うっていう難しさもあるので、それを違和感なく届けられるようにしなきゃなと思います。
増田:この作品をやるってなった時に、「名曲がたくさんある作品だからね」と周りから言われたんです。「俺、名曲と言われるものをあまり知らないんだよな…」と思いながら楽曲をもらったところ、まあまあ知っていて安心しました。知ってる曲がたくさん出てくると安心するじゃないですか。ミュージカルに慣れていない人にも楽しんでいただけると思います。
――日本初演で届けることへの思いはいかがでしょうか?
坂本:(増田の思いを)聞いてみたいですね〜。
増田: 僕も作品を知らなかったですし、僕をきっかけにこの作品を知る方もいてくれるかなと思うので、プレッシャーよりワクワクのほうが大きいです。この作品をもともと好きだった方にも、このバージョンもいいじゃんと思ってほしいですし、初めてやるんだったら観に行こうと思ってくれた人には、観た後に海外版のサントラを買うなどのきっかけになってもうれしいですし、楽しみが大きいですね。
坂本:有名な分だけ、曲を含め皆さんの記憶にあると思うんですね。『フットルース』をやらせてもらった時もそうだったんですけど、(多くの人が)知ってる曲、知ってる人物、知ってる作品をやる時ってプレッシャーを感じます。それぞれのお客様に思い出もあるし、「あの曲いいよね」「あれだからいいよね」って思われたら負けだなと。逆にプレッシャーを力に変えてやっているので、日本キャストの作品のほうがいろんなものが伝わってくるよね、楽しいよねと思われるようにやるだけです。演出のビルもブロードウェイ版とは別のものを作ると言っているので、ビルの頭の中を吸収してやるだけですね。
増田:……楽しみですって言っちゃったんですけど、すごくプレッシャーも感じています(笑)。「プレッシャーを感じながらも〜」の体にしてください(笑)。
――最後に作品を楽しみにされている皆さんにメッセージをお願いします。
坂本:古き良きアメリカのミュージカル作品だと思いますし、この作品を令和の現代に初演でできるというのはワクワクしています。何よりもこの音楽を皆さんに届けられるのが非常に幸せなことなので、素敵な音楽を聴いていただいて笑顔になって幸せになってもらいたいと思います。
増田:『ハウ・トゥ・サクシード』をコロナ禍にやった時に、坂本くんが「みんな落ち込んでいる時にポップなコメディ作品があるといいよね」と言ってくださったのを覚えています。観に来ている時間が今年いちばん楽しかったなと思ってもらえるようなものを作りたいなと思っています。
坂本くんの背中をジュニアの時からずっと見させてもらって、後輩としてバックでつかせてもらいましたけど、一緒に歌ったり踊ったりするのは初めての経験。後輩として、1人の役者として、こんな後輩が育ちましたというのをちゃんと見せられるようにしっかり頑張りたいなと思います。
(取材・文:佐藤鷹飛 写真:高野広美)
ミュージカル『ホリデイ・イン』は、4月1日〜16日に東京・東急シアターオーブ、4月22日〜5月1日に大阪・SkyシアターMBSにて上演。