記者会見する石破茂首相=1日午前、首相官邸 石破茂首相は1日午前、2025年度予算の成立を受け、首相官邸で記者会見に臨んだ。自動車を対象としたトランプ米政権の追加関税措置を踏まえ、日本企業の資金繰り、調達支援を講じる考えを示した。コメやガソリンなどの価格高騰への対応を進めると説明。中小企業の賃上げ支援のため「政策を総動員する」と強調した。
米側が追加関税を発動した場合、全国に約1000カ所の特別相談窓口を設けると表明。中小企業や小規模事業者の懸念や不安にきめ細かく対応する方針を示した。
最低賃金の引き上げに向け、5月までに効果的な対策を取りまとめる考えを明らかにした。中小サービス事業者の生産性向上のため、業種別省力化投資促進プランを5月に策定するとも唱えた。中小・小規模事業者の経営基盤を強化するための新たな政策パッケージを6月までに策定するとした。
ガソリン税の暫定税率廃止について「必要な法改正に向け、政党間協議を加速する」と述べた。食料品を対象とした消費税減税は「適当ではない」と否定。企業・団体献金の見直しに関し「成案を得られるよう真摯(しんし)な議論を続ける」と語った。
25年度予算は3月31日、参院で再修正され、衆院の同意を得て成立した。首相は「熟議の国会の成果だ」と訴えた。一般会計総額は過去最大の115兆1978億円。